実の父親と養母から虐待を受けていた6歳半の孫・ひなたくんを、山本さん夫妻は5年半にわたり保護し、育ててきた。
この夫妻が直面した困難は、2019年9月、ひなたくんの1歳の誕生日を目前に控えた、ある悲劇から始まった。
実母の死
山本さんの娘、つまりひなたくんの実母は、夫(中国人)の度重なる不倫に苦しんでいた。そして、離婚して一人でひなたくんを育てていく決意をした矢先のことである。横浜市内の自宅マンション4階の非常階段から、ひなたくんを抱いたまま墜落し、帰らぬ人となった。
幸いにも、ひなたくんは実母にしっかりと抱きかかえられていたため、命に別状はなかった。
しかし、この転落には多くの疑問が残る。目撃者はおらず、防犯カメラも設置されていなかったため、真実を知るのはその場にいた夫ただひとりである。夫は警察に対し「妻が自ら飛んだ」と証言した。
だが、もし本当に自死するつもりであれば、なぜ4階という不自然な高さを選んだのか。また、赤ちゃんを抱いた状態で、背中から柵を乗り越えるという動作は、とっさにできるようなことではない。さらに、離婚を決意し、その旨を両親である山本さん夫妻に報告したわずか3日後に、自ら命を絶つとは考えにくい状況であった。
なぜ目の前で止めることができなかったのか、いや、止めなかったのか、本当に自ら飛び降りたのか、それとも…。その真偽を裏付ける証拠は一切なかった。
警察は、中国語が話せる通訳を手配することもなく、詳しい取り調べもしないままに「自殺」と結論づけたのである。
ひなたくんを巡る状況
ひなたくん退院後、実父との二人暮らしが始まった。無職であった実父のために、山本さん夫妻が新たな住居と仕事を手配したが、実父は何かと理由をつけて仕事に行かなかった。
時間はたっぷりあったにもかかわらず、育児をすることはなく、ひなたくんを放置した。その結果、頻繁な発熱や酷いおむつかぶれの症状があったにもかかわらず、実父はひなたくんを病院へ連れて行くことはなかった。
通園が始まっても続く育児放棄
その状況を見かねた山本さんがひなたくんを病院へ連れて行ったところ、脱水症状を引き起こしていることが判明した。
その後、保育園が決まり、日中は保育園で世話をしてもらえるようになったことで、ひなたくんの体調は少しずつ回復していった。しかし、保育園では、ひなたくんが前日とまったく同じ服装であったり、汚れ物がカバンに入ったままであったりなど、父親の育児放棄が疑われた。
保育園側は再三父親に指導したが、一向に改善されなかったため、山本さんに連絡が入るようになった。実父に何度指導しても言い訳ばかりであったため、山本さん夫妻が全面的にサポートすることになった。
山本さん夫妻による支援と葛藤
ひなたくんは週に5日は祖父母の元で暮らし、父親のところで過ごすのは土日の1泊2日だけとなった。山本さん夫妻は実父に対し複雑な感情を抱きながらも、孫のためと全てを「封印」し、ひなたくんを支え続けた。もし全てを「封印」しなければ、山本さん夫妻の心が崩壊していたとすら言われている。
虐待の発覚
実父が住む住居の近隣に、のちに養母となる実父の交際相手が転居してきた頃から、ひなたくんに異変が表れ始めた。面会のたびにひなたくんの身体には不審な傷が増え、ひなたくん自身も週にたった一度の面会すらも拒むようになった。更には、面会の前後で情緒が不安定になる様子が見られた。
児童相談所の対応と証拠集め
虐待を疑った祖母は、病院で診断書を取り、児童相談所に相談した。しかし、児童相談所から返ってきた言葉は、「音声や映像がないと動けない」「親権者ではないので何もできない」というものであった。
証拠集めのため、山本さんはひなたくんの荷物にボイスレコーダーを仕込んだ。
「(薬を)飲ませてもらうのが当たり前と思うな!」
「自分で飲めるの?言ったな!できなかったらひっぱたいていい?できなかったらひっぱたくよ!絶対ひっぱたくよ!」
交際相手の怒鳴り声は、幼児が相手とは思えないほど冷たく恐ろしいものだった。
明るみに出た虐待の実態とその後
ひなたくんの語彙力が向上するにつれ、実父と交際相手から虐待を受けていたことが明らかになった。実父と養母から、首を絞められ、投げ飛ばされ、脅され、口中に異物を押し込まれ、口と鼻を押さえつけられるといった行為が繰り返されていたのだ。これらの虐待により、ひなたくんは現在もPTSDに苦しんでいる。この状況を受け、山本さん夫妻は実父との面会を中止せざるを得なかった。
不正な金銭搾取とひなたくんの権利侵害
ひなたくんは実母の未成年者遺族として、18歳まで年間約100万円の遺族年金を受け取る権利がある。
ところが、実父はこれまでに遺族年金約350万円に加え、実母の結婚前の個人財産、児童手当、ひなたくんのコロナ給付金などを合わせ、すでに700万円を超える金額を不正に取得し、使い果たしていた。
驚くべきことに、実父はこの年金を不正に得るため、隠蔽目的でひなたくんの住民票を非居住地へ移動させ、健康保険証を取り上げ、さらには追跡から逃れるために氏名まで変更していた。
これにより、ひなたくんは無保険状態となり、緊急時であっても医療機関での受診を拒否されたり後回しにされたりした。
住民票がないために自治体サービスを受けられず、小児予防接種やワクチン、PTSD治療も受けられないという深刻な事態に陥った。
住民票の所在も不明なため、本来の居住地に戻すための働きかけすら困難を極めた。
氏名変更により、これまでの生活実績や現在の生存証明すらできない状況に追い込まれていたのだ。
山本さん夫妻はあらゆる手を尽くして、やっとの思いで住民票の異動先を見つけ出し、8カ月後には健康保険への再加入を実現させた。
現在、ひなたくんは無事に医療を受けることができるようになっている。
不当な親権訴訟と司法の判断
遺族年金の支給停止を受け、実父と養母は、ひなたくんを養育している体裁を保つため、「子どもを親権者に返せ」という親権者変更の訴訟を起こした。彼らの真の目的は、再び遺族年金を奪取することにあると見られている。
山本さん夫妻は、虐待現場の音声記録、本人の証言、そして実父と養母による虐待であるという診断書を提出し、ひなたくんの保護を強く訴えた。しかし、高等裁判所は、実父側の勝訴判決を下した。
裁判所は、実父と養母が実際にひなたくんに対して虐待行為を行っており、その再発を否定する根拠が全くないにもかかわらず、「子どもの安全」よりも「虐待加害者の権利(親権)」を優先する判断を下したのだ。その理由の一つには「虐待現場の映像がないから」というものがあった。さらに、「親権者だったら、そのくらいのことはしても良い」という記述や、「まだ死んでいないから」としか解釈できない文面が並んでいたとされている。
今回の件で、司法の判断がいかに偏っているかが浮き彫りになった。
実父側の弁護士は、数回にわたり山本さん側の証言を予定していた保育士に圧力をかけた。その結果、その保育士は「関わりたくない」と証言台に立つことを拒んだ。
山本さん側の弁護士は、裁判前に突然連絡が取れなくなり、何の打ち合わせもできないまま、裁判に臨むことを強いられ、味方であるはずの弁護士はすべてにおいて逃げ腰な態度であった。後に、実父側の弁護士と山本さんの弁護士が、先輩後輩の間柄であることが判明した。
広がる支援の輪、そして新たな局面
もともとYouTubeの「街録チャンネル」で全国に知られることとなったこの事件。判決が覆ることはないと知りながらも、少しでも良い方向へ進むこと、あるいは何らかの奇跡が起きることを願い、多くのYouTuberが自身のチャンネルで署名活動への協力を呼びかけていた。
その結果、署名数は2025年6月17日時点で148,000筆を超えるまでに広がり、NHKから国民を守る党の浜田議員は、政府に調査を提案する形の質問主意書を提出したとのことである。
しかし、同時期から一部のチャンネルから、この事実を知ることのできる動画が見れなくなっている。何らかの圧力がかかったのか、詳しいことは不明である。
そして現在、実父が再び反撃に出ており、ひなたくんの名前で山本さん夫妻が訴えられるという事態に陥っている。
ひなたくんを守りたい
親権者変更の裁判結果に基づき強制執行が行われれば、ひなたくんは再び虐待加害者のもとに戻されてしまう。法改正により、山本さん夫妻が現場に立ち会わなくても執行が可能になったため、無理やり連れていくような執行が行われる可能性も否定できない。学校関係者や児童相談所、警察も、高裁の判断が出ている以上、協力は望めない状況だ。
たとえ強制執行の不正や違法性が証明されても、ひなたくんが実父のもとに戻ってしまった後では、裁判結果に反していないため問題ないとされ、誰も何も動かないと危惧されている。
実父と養母は、すでに自らの不正を隠し、追跡から逃れるための手段(中国に居住していることにする等)を講じている。再び加害者たちと生活を共にすることで、ひなたくんへの実害がさらに拡大することは避けられない。最悪の事態が起こってからでは手遅れになるのだ。
これを知った私たちが出来ることは限られている。
これを一人でも多くの人に知ってもらうこと。
一人でも多くの人に署名してもらうこと。
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