4月初めに、娘から送られてきたシアトル旅行のときの画像を見て、「太ったねー」とメッセージを送っていた。
今まで見たことがないくらいにほっぺたがふっくらしていて、「10キロぐらい太ったからダイエットを始める」みたいな返信が来ていた。
しかしそれは、太ったのではなく浮腫みだった。
病院では水分を制限され1日にコップ半分ほどの水しか飲めず、薬もその水で飲まなければならなかった。
その上、ナトリウムの摂取も禁じられたため、塩分のあるものは一切口にできなくなっていた。
病院での食事は、きちんと栄養バランスなどが計算されて出される日本の病院食とは違い、自分でメニューからオーダーできたが、食べられないものだらけだった。
サラダを食べた娘が「野菜、久しぶりに食べた」と言った。
我が家では肉よりも野菜が多かったが、アメリカの家で出る食事は圧倒的に肉が中心で、野菜は煮込み料理やパスタに入る程度だったらしい。
私は娘の体調のほかに、医療費も心配でならなかった。
医療費の高いアメリカで、どれくらいの期間入院しなければならないのかわからず、今後どれくいのお金がかかるのか想像もつかなかった。
最初に受診した病院ではCT検査などを受け、既に日本円で60万円ほどかかっているらしかった。
日本で加入した保険は上限が500万円。
現地で加入した保険の上限をエージェントに尋ねると、エージェントは現地担当者に問い合わせ、現地担当者は保険会社に確認するも、明確な答えが返ってくることはなかった。
日本で私ができることと言えば、今後どれくらいかかるかわからない医療費に備えること。
調べてみると、国民健康保険から「海外療養費」というのが支払われるということがわかり、すぐに国保の手続きに行った(社会保険からも出る)。
海外で受けた医療と同等の処置を日本で受けた場合の金額に換算し、その7割の払い戻しを受けられる。
退職後の健康保険を国保にするか社会保険の任意継続にするかは決めていなかったが、保険に加入したその日から海外療養費払い戻しの対象となるため、とにかくすぐにでも手続きをしなくては…と、役場へ急いだ。
加入手続きをして保険料の計算をしてもらったところ、月額5万円近い保険料になり愕然としたが、今後いくらかかるかわからないアメリカでの医療費を考えると仕方なかった。
留学エージェントから連絡があり、私がアメリカへ行くなら現地の受け入れ態勢を整える…とのことだったが、娘に言うと、「来んでいい。来ても状況が変わるわけじゃないし」と言う。
心配でならなかったが、入院がどれくらいの期間になるかもわからないし、確かに行って私ができることは殆どない。
とりあえず詳しいことがわかるまで待機することにした。
それと、私はホストファミリーに会いたくなかった。
病気になった原因がはっきりしたわけではないが、娘は少なくともホストファザーを嫌っていたし、ホストマザーの作った食事は極端に偏っていたしで、病気はストレスと食事の影響もあったのではないかと考えると、どんな顔で会えばいいのかわからなかった。
仕事を辞めたのに、私はますます眠れなくなっていた。
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