幸せかと問われると全然幸せじゃないとの言葉に思ったこと

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昨日、中学のときのクラスの同窓会へ行ってきた。
前回の同窓会は確か8年前。
出産して何ヶ月か経ったころに、友達を介して学年の同窓会があるという連絡をもらったものの、そのころは実家の母とも殆ど連絡を取っていなかったし、Beは小さいしで、どうしようか迷った挙句に行かなかった。
その前が1995年ごろ。
このときは初めてのクラスの同窓会にドキドキしながら出席したのを覚えている。

あれから14年。
何人集まるのか、どんな顔ぶれなのか、まったくわからないまま出席するとの返事をし、その後に少しだけ後悔しながらもこの日が待ち遠しかったのは確かである。
集合時間の5分前に到着し、居酒屋の戸を開けるとすぐに店員さんと目が合った。
「あの…同窓会の…」
「はい。奥の方になります。もう来られてますよ」
ドキドキしながら奥の座敷へ行き、ひょいと顔を覗かせると懐かしい顔ぶれが目に入ってきた。

「お~~~久しぶり~~~!」
少しだけ太ったり、痩せたり、皺が増えたりはしていたものの、あの頃とちっとも変わらない笑顔のみんながそこにいた。
まったく予想はしていなかった担任の先生まで来ていたのには驚いた。
「あんた~!いまみんなで前回(1995年)のアルバムをを見よって、このキレイな人は誰やったかいな~って言いよったとばい!」
懐かしい筑豊弁。

先生ははるばる筑豊から、この重たくてでっかいアルバムを持ってきてくれたらしい。
遠足や運動会、卒業式、成人式、同窓会などの写真がたくさん貼られている。

「先生~相変わらず元気やね~!いくつになったと~?」
「今日はね、もうすぐ私の誕生日やけんお祝いもしてもらわないかんばい!74になるとばい!」

あの頃と全く同じテンションと元気さには驚いた。

「あんた、だいぶん前に結婚相談所で働きよったやないね。それからどげんなったとね?」

そう言えば、そんな時期もあったらしい。
15年以上前のこと。

「あ~そんなこと手紙に書いたっけ?そんな仕事しよったのに、私結婚してないとよ~!でも子どもはおるんやけどね」
「そうね、よかよか。あんたも頑張りよんね。よかったばい、元気で」

あの頃は今とはずいぶん違い、わかりやすく言うと「横浜銀蠅」みたいなツッパリ軍団が必ずクラスに何人かはいて、かなり手を焼いていた先生。
私たちよりずっと小さな体だけど、口を開くと常にパワフルで元気だった。

女子では学年一のツッパリだった子がなにかと先生や周りのみんなに声を掛けたり、飲み物をつくったりと、以前からすると考えられないくらいの気の遣いようで驚いた。
今回、女子への連絡係りをしてくれたのも彼女。
話をきくと、中学生の娘さんのことで頭を悩ます日々が続いているらしい。

「先生、うちの子が、学校で飴玉を食べていたとか、携帯電話を持ってきていたとかで、しょっちゅう学校に呼び出されるんですよ。昔の私からすると『なんでこれくらいで?』と思ってしまいます。私が中学生のころは酷かった。本当に迷惑を掛けてきました。いっぱい大変なことがあったけど、先生が担任だったからよかった。本当に感謝しています」

こんなことを言うなんて考えられないぐらいの「問題児」であったので、会っていなかった長い間に、いろんなことを経験し乗り越えてきたから、素直に感謝ができるんだと思った。

集まった人数は先生を含めて13人。
少ないけど、クラスの同窓会だし、地元を離れていった人も少なくない。

底抜けに明るい先生を見て、ひとりがポツリとこんなことを言った。

「先生って、悩みとかないんやろうね…」

「そんなことはないと思うよ。でも、辛いことがあっても、私たちとは受け取り方が違うんだと思うよ。どんな風に受け取っても、結果は変わらんやん」と私が言うと

「そうやね…私はネガティヴやけん…」

するとある男の子が

「いま、幸せかと言えば、幸せじゃない。ぜんぜん幸せじゃない」

何があったか知らないが、中学生のころから勉強もスポーツも難なくこなしていたし、仕事も順調、子供の学校でも役員を務めたりと、傍から見る限りでは絵に描いたような順風満帆な人生を歩んできたイメージがあったので驚いた。
でも、他人にはわからない何かがあるんだろう。
昔から知っているみんななので、職場や子の同級生の親たちには吐けない本音がつい出てしまったんだと思う。

「そんなこと、みんなあるよ。誰にだって悩みとかはいっぱいあるけど、何年経っても、どんなことがあっても、今日のこの時間に同じ場所にみんなで集まれただけでいいやん!」

あえてそんな暗い話をきくつもりはなかったし、きっと、そこにいたみんなが何らかの辛いこと、悲しいことを経験しながらも、集まってこれたことに意義があると思った。

私も悩みがないわけじゃーないけど、面倒くさがりだし、答えがみつからない問題は考えても仕方ないと思って見て見ぬふりをするようにしている。
良く言えばポジティブと言えるのかもだけど、普通に言えば優柔不断。
でも、行動に移せないのなら、良い方に考えるしかないんだと思っている。

今考えれば、これを昔から実践しているのが先生だった。

「先生はね、毎日忙しかとばい!」と次から次へと写真が出てくる。
数年前から習い始めた社交ダンス。
ものすごく派手なドレスと分厚い化粧にみんなが吹き出した。
「こっちの写真はね、もうだいぶん前から老人ホームを回ってから、話をしたりダンスをしたりしよって、踊りも全部先生が考えて、リーダーになってみんなに指導してからね…」

そろそろそんなものを見せる方ではなく、見せられる方になるんではないかという年齢なのに、この人ってきっと10年後も20年後も同じことをしていそうだと思った。
「そして、これがね…」と、大荷物からまた何やら出してきた。
フィルムケースで作られた男女一組のお人形。



最近ではデジカメが主流なので、このフィルムケースを集めるのが大変だそうで、毎年何百個も集めて作っているらしく、それを必死に話しながら

「これはね、500円玉が24枚入るったい。2個で2万4千円。これであんたたちお小遣いを貯めなさい。女子だけやるけん」
親にとって我が子がいつまでも「子ども」であるように、先生にとっても私たちはいくつになっても「子ども」なのである。

すると、ある男子が
「え~俺たちはもらえんと~?」と言うので、私がすかさず
「男子は1セット千円よ!先生に千円寄付しなさい!」と言うと、本当に彼が千円をよこした。
「先生~!はい!千円、寄付もらったよ~!」と言って手渡すと
「なんね!たった千円ね!?」
これがこの先生のいいところである。
かなり笑えた。

7時半からとっくに2時間が過ぎたというのに誰も帰る者はおらず、4時間以上は店に居座ったと思う。
帰りのJRがないので、先生のためにタクシーを呼ぼうとすると
「なんね!私は二次会に行ったらいかんとね!?」と苦情。わはははは…
その後、私は行かなかったけど、しっかり二次会のスナックまで付いて行った先生。
あのパワフルさにはものすごい元気をもらって帰ってきた。
いい夜だった。

いつもありがとうございます。
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MotherLeaf*

コメント

  1. 同窓会の幹事はたいへんだけど、
    頑張ってくれる人がいるから集まれるんだよね。
    参加できる人は幸せな人なんだよね。

  2. ::kspawsさん::
    そうそう、幹事って大変ですよね。
    本当に感謝してます。
    参加するかどうか、ちょっと迷ったんですが、中学時代以上にみんながフレンドリーというか、この年になったから、何も言わず、何も訊かずになんとなくそれぞれの状況を察知してくれて、とっても暖かい同窓会でした。

  3. いいねえ~同窓会。私は行った事無いんだわ。
    ウチは実家が引越して連絡が来ないのと、
    仲の良かった先生はお亡くなりになったんで、
    同窓会自体があってるのかどうかも不明(^^;
    そう。オイチャンの言うとおり、参加できる人は幸せなんだよ
    楽しかったみたいで良かったね!
    で?すぐに分かってもらえた??(^m^プププ

  4. 同窓会、行ったことないって人多いね~。
    引越しは仕方ないね。
    tomokeroが幹事になって、みんなに呼びかけてみるって手もあるよ^^
    >で?すぐに分かってもらえた??(^m^プププ
    わかってもらえたさ。
    14年前に行ったときは、よくわからんかったみたいよ。
    化粧した顔を初めて見る人ばかりで。
    化粧したらそんなに変わるんかい!って感じでショックやったけど。