10カ月ぶりに帰ってきた娘はやっぱり病気なのだと再認識した日

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サンフランシスコから台湾経由で福岡へ。

空港でのチェックインの際に、病気のことと、機内で注射をしなければならないことを娘は自分で伝えた。
航空会社の職員は少し驚いたような表情で、数分の間カウンターを離れると、上司らしき中年女性を連れて戻ってきた。

「大丈夫です。問題ありません。念のため、薬の内容のわかる書類をコピーさせてください」

そう言って女性が立ち去ったあと、職員の男性がバタバタとカウンターからいなくなったり戻ったりを何度も繰り返した。
結局、私たちはチェックインをするのに30分以上もかかり、終わったころには後ろのチェックイン待ちの人たちは誰もいなくなっていた。

座席は敢えて前が壁になっていて足元が広いバルクヘッド席にしてくれたのだけど、私は昔からあの席があまり好きではなく落ち着かない。
座席に座ると、すぐに5~6名のCAが集まってきて、メモをしながら真剣な表情で娘に質問をしてきた。
何とも大げさなようにも思えたが、機内に注射器を持ち込むのだから仕方なかった。

腹部への注射は必ず12時間ごとに打つように言われていたので、忘れないように携帯のアラームをセットした。
携帯アラームがブルブルッとなり、爆睡中の娘を起こすと、他の人に見えないようブランケットの中で腹の肉をひょいとつまみ上げて慣れた手つきで注射をした。
私は生まれてこの方、一度も自分の腕に注射針を刺されるところさえ見たことがない怖がりなので、娘の注射する姿を見るとゾワゾワした。
CAの方々は最後まで娘に気遣いしてくださり、有難かった。

 

日本に帰ってきてから、数日以内に病院へ行くように言われていた。

前にメールで問い合わせた病院はやっぱり何となく気が進まず、九大病院にメールで問い合わせたら、すぐに国際診療支援センターというところから電話がかかってきたので事情を説明した。
日本人であっても、海外で罹患した場合はその国際診療支援センターを介しての予約を取ることになっているようだった。
その週は予約がいっぱいとのことだったが、緊急性を理解くださって、2日後に予約できた。

帰国してからも、娘は病気とは思えないぐらい元気だった。
もしかすると日本に帰って来たことでストレスから解放されて、段々元気になっているのでは?とも思えた。

 

病院の予約日当日、ものすごい数の人で溢れた九大のロビーで、海外からの紹介状を持った私たち親子はどこに行けばいいのやら…と、途方に暮れていたところに国際診療支援センターの担当者が現れた。
予約まではまだまだ時間があったが、その前に採血とレントゲンを…とのこと。

担当者と別れ、採血のところで受け付けをしてもらい順番を待った。
ようやく娘の番号が呼ばれて行ったが、採血が終わり戻ってきた娘は具合が悪そうだった。
採取された血液がドロドロで検査ができる状態ではなかったようで、何度かやりなおして、3回目でやっとOKが出たらしい。

次はレントゲン。
待合室で、娘は私の膝枕で横になっていた。
とにかく普通に座っていられないくらい具合が悪いようで、それに加えて待ち時間が長かった。
30~40分ほど待ったところでようやく名前を呼ばれ、娘がレントゲン室に入って行った。
それから1~2分経ったぐらいに、レントゲン室のドアがガチャッと開いた。

 

「〇〇さんの家の方、いらっしゃいますか!?」

 

慌ててレントゲン室に入ると、娘が床に倒れていた。

薬や注射以外で娘が病気であるということを再認識した出来事だった。

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