死を意識した娘と、レベル5に振り回される母

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娘の腎臓がレベル5。
留学エージェントから転送されてきたホストマザーからのメールに「医師たちが最も懸念していた腎臓からの出血がなくてよかった」とは書いてあったが、それでもレベル5。

人工透析になる可能性は高い。

もしそうなれば、まだ十代なのに諦めなければならないことが山ほどでてくる。

就職は無理だろう。
旅行だって好きなように行けない。
もしかすると結婚も無理かもしれない。
結婚できたとしても、子供を持てないかもしれない。

人工透析が足かせになり、できないことだらけになってしまう。

絶対に人工透析なんてやらせたくない。
私が代われるものなら代わってあげたい。
もう、私の腎臓を移植するしかない。
腎臓移植の情報をネットで調べまくり、権威の先生にメールを送った。

 

娘は退院後、毎日、大量の薬を服用していた。
退院前に練習した腹部への注射も、すぐに慣れた。
12時間ごとに必ず打たなければならない、血液をサラサラにするための注射。
怪我をすると血が止まらなくなることもあるので細心の注意が必要だった。
学校に通うことは許可されたが、思い荷物を持つことを禁じられた。

退院の翌週、娘はこの日のために4,000円ほどで購入した帽子とガウンを身に着け卒業式に出席した。
卒業式は夜行われ、その後は遊園地のようなところで遊ぶのが恒例のようで、娘も他の卒業生と一緒に夜通し楽しんだ。

相変わらず塩分は極力控える必要があり、ホストマザーは食事に関して何もしてあげられないことに罪悪感を感じたようで、泣きながら娘に謝罪したらしい。
日本から無塩の梅干しやドレッシングを送った。
それと、私が以前娘に送ったマヨネーズ。
味を感じられる割に意外に塩分が少ないことを発見した娘は、生野菜や炒めた野菜を少量のマヨネーズで味付けして食べていた。

 

入院前に激しい痛みに襲われたとき、娘は「死ぬかもしれない」と思ったらしい。

「麻央ちゃんのブログってまじで病気になってから見ると共感する部分が多くてほんとにすごい。昨日寝る前に最初の方の記事と最期の記事読みながら号泣して寝た笑笑笑笑」

娘はちょうど1年前に亡くなった小林麻央さんのブログを読み返していた。

私も麻央さんがブログを始めたころから読んでいたので亡くなったときは悲しくてしかたなかったが、実際に「死」を意識したばかりの娘にとって、私には読み取れなかった麻央さんの苦悩が理解できたのだと思う。

とにかく娘の命は助かった。
日本に帰ってきたら、あとは私が何とかする。

いつもありがとうございます。
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