レントゲン室で娘が倒れていた。
なんで床に寝かせたまま起こしてくれないのかと思ったが、看護師を呼んであるとのことで、こんなときは下手に動かさない方がいいんだろう。
看護師が到着すると、レントゲン技師と一緒に娘を車いすに座らせ、別のフロアの処置室に移動した。
移動している間、娘はずっとうなだれた状態だった。
処置室の前で待っている間、怖くて涙が止まらなかった。
20分ほどして看護師に案内され、簡易ベッドで横になった娘に会えた。
内臓のどこかが痛くて、レントゲンの後に倒れたのだと言った。
そろそろいつもの注射を打つ時間だったので、採血で3回も血を採りなおしたせいで血がドロドロになって具合が悪くなったのでは…と心配になり、その場で注射をさせ、薬を飲ませた。
腎臓内科で診察を終え、その後の問診の際、アメリカで体調が悪くなってからのことを細かく話した。
40代半ばぐらいの先生が、娘と私の話しを一言一句聞き漏らさないよう、何度も繰り返し質問をしながら、娘の体調が悪くなってから搬送されるまでの経緯をパソコンに打ち込んだ。
ひと通り話が終わったあと、先生は何とも言えない表情だった。
肺塞栓と腎臓と他にもいろいろあったのだけど、それらを同時に発症し、しかも生きている。
「あなたみたいな患者さん、僕は今まで見たことがない。
本当に、大変な経験をしたね。
アメリカで救急搬送されたときは、たぶん死にかけていたはず…
死んでもおかしくはなかった。
よく生きて帰ってきたね。
本当によく生きて帰ってきた」
娘は自分で死ぬかと思ったとは言っていたが、本当に九死に一生を得たのだとわかると改めて恐ろしくなった。
その後の治療計画などはアメリカで行った治療や腎生検の結果等を取り寄せてから決めるとのこと。
翌週には再び九大の循環器科で、肺を診てもらうことになった。
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