若さゆえ…後編

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今考えると、私が20代前半から30代前半で経験した波乱万丈な出来事は、この時期に火がつき始めたのだと思う。
波乱万丈とは言っても、誰のせいでもなく全て自分の不注意さが原因で、失敗しても学習しないままなんとかなっていくものだからつい調子に乗ってしまう。
石橋を叩いて“ガラガラッ”と崩れる音が聞こえても躊躇なく渡り始める…当時の私はまさにそんな危なっかしいヤツだった。

大阪に着いてから買った求人誌を片手に駅の外へ出てみると、気持ちのいい青空が広がっている。
なんかいいことあるかも♪
空腹なこと以外は極めて気分は絶好調だった。
ベンチに座り、住込みOKの求人を片っ端から探していく。
う~~~ん…ありそうで、なかなかない。
パチンコ屋は嫌だなぁなんて思ってるところで夜のお店を発見。
…でも、住込み可の夜のお仕事って…タコ部屋のようなところに押し込まれるんじゃあ…??
根気よく1件も見落とさないように丁寧に探していく。
そして…おっ…住込み…民宿?
場所は大原…大原ってどこだぁ?なんて思いながら、公衆電話へ行き電話をかけてみる。

「まだアルバイトの募集はしていらっしゃいますか?」

「はい。してますよ。」

さっそく面接の約束をして電話を切った。
わーーーい!やったーーー!
教えてもらった通り、電車とバスを乗り継ぎ、大原へ向かった。
♪きょうと~おおはら、さんぜんい~ん(京都・大原・三千院)の大原に到着したとき、残金はわずか300円。

そこはまるでアニメ・日本昔話の背景のようなところだった。
バス停から田舎道を10分ほど歩いたところに、その民宿はあった。
オーナーである中年男性に昨日の温泉ホテルのために準備していた履歴書を渡し、福岡を出てからのことをざっと話した。
時給650円で食事も寝るところも付いている。
お互いに合意(?)したところで、男性がお腹が空いてるのではないかと聞いてきた。

「空いてます!!」

採用が決まったとは言え、働かないうちにすぐ食事を頂く人なんて、私か裸の大将くらいのもんだろう。

仕事は朝7時から朝食の準備、後片付けをして、それから客室の布団上げ、部屋と浴場の掃除、それから昼食後は、夕食の下ごしらえ、宿泊客の案内、夕食の後片付け、翌日の朝食の準備と一日中やることだらけで仕事が終わるのは夜8時過ぎ。
忙しい日は夜12時近くにまでなるときがあった。
週に1度あるかないかの休みには、1時間ほどバスに揺られて京都市内を散策するが、友達もいないためひとりぼっちで退屈になりすぐに帰ってきた。

民宿の近くには小さなコンビニ(とは言っても夜は閉まる)があるだけ。
お金を使うところは殆どなかった。
私のすぐ後に少し年下の女の子が入ってきて、そのすぐ後に、高校卒業後大阪の学校へ行き就職していた友人が仕事を辞めたことを知り彼女まで引きずり込んだ。

忙しい毎日だったけど、今考えると修学旅行の延長のような楽しい日々だった。
2ヵ月後、福岡へ帰ることになった。
そのまま居続けると、正月も何もあったもんじゃない。
私の青春を返して~~~!ってなことになったかどうかはわからないが、とにかく福岡より退屈な“ど田舎”を早く抜け出したかった。
ケチな私は、行きと同じようにフェリーを使って帰ってきた。
行きと違ったことと言えば、飽き飽きしていたはずの福岡に帰れる嬉しさと、バッグの中に40万円近い現金が入っていたことぐらいかな。

いつもありがとうございます。
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MotherLeaf*

コメント

  1. kaoさんの人生って波乱万丈ですよね~。
    本出したら絶対売れる!このblogの時点で大好評ですし!
    私も、仕事して稼いじゃ海外逃亡派なので、
    kaoさんとちょっと似てますね。
    そこまで刺激的ではないけれど、、、人生楽しいです。

  2. 西宮に行ったのかと思っていたのに、大原~。
    観光に行く方は楽しいけど、働くのは大変やねえ。
    でも2ヶ月で40万貯めるのもすごい。
    ホントに使う場所がなかったのね。
    お疲れさまでした。

  3. *琴子さん*
    波乱万丈とは言っても、私の場合、「ずっこけ波乱万丈」だよね。
    仕事して稼いじゃ海外逃亡って方が十分本になりそうよ。
    人生って面白いよね~~。

  4. *ラン子さん*
    西宮?ハズレ~~~(~~)v
    ほんと、何の仕事でも働くのって大変ですよ。
    時給650円でも使うとこなかったら貯まるんですよね。
    心を入れ替えて頑張ったら、今でも十分貯まるんでしょうが。
    なかなかね・・・・。

  5. 面白いな~ こんな経験私はしたことないよw
    何の計画もなく、思いつくままに自分の好きな時に好きなことをすることって若い頃限定でできることかもね。 
    40万円というお金にも、今ならギラギラしちゃうけど(笑)、当時はあっけらかんとしてたりしてw
    やっぱりこういう経験は、危なっかしいけど、全然ないよりはあった方がいいよね~^^

  6. 手にとるように状況が浮かんだよ。私はKaoちゃんほどの冒険はなかったけれど、若いときって咄嗟の判断でギャンブルできるんだよねー。私も一度、住み込みっていうのやってみたかった。楽しそうだよね。Kaoちゃんも京都にいたのね。私はあんまり馴染まないうちに大阪に越してきたから離れるともったいなかったなあーと思ったりして。
    面白いよ。本にできるよ。

  7. う~ん田舎にいたら金が貯まるのか・・・(^^;
    使うところが無かったら、時給が安くても大丈夫って事ね。
    kaoってば、今では「田舎に住みたい」って言ってるけど、その頃は「田舎だからイヤ」だったのね(^m^
    しかし・・・私もその頃、小銭を貯めては海外へ!無くなったらまた日本に帰ってきてバイトして小銭を貯めて・・・と出稼ぎのフィリピン娘みたいな仕事の仕方してたよ(笑)その頃はお互い知らなかったけど、似たような生活してたのね(^^)

  8. *ななさん*
    いやーほんと、こんなこと30代でやってたら頭おかしいか、ものすごい才能のある画家かと思われちゃうよ>裸の大将(^^)
    この頃って、いつもこんな風にみんながあっと驚くことばっかやってたんだよね。
    我ながら呆れるわ。
    その40万円の使い道はね、初めての渡米費用に消えました。

  9. *conちゃん*
    やっぱり私って根っからのギャンブラーなんだと思うよ~~(実際、ギャンブラーだし)。
    いやーでも面白かった。
    いい経験できたし、色んなこと吸収して帰ってきたよ。
    conちゃん、実は京都出身とか???
    イメージがまた変わってくるわぁ。

  10. *tomokerock*
    そうそう、昔はね田舎が嫌いだったのよ~~(田舎生まれのくせ)。
    でも最近は年をとったんだろうね。
    なんだか都会は疲れるよ(って、そんな都会に住んでるわけでもないけど)。
    お金は殆ど貯金できたけど、今同じことやってもダメだろうなぁ。
    だって私ってネット通販のいいお客様だもの~~。
    ネットさえ繋がれば、日本中どこにいても買い物できるんだもの(T_T)

  11. ぷぷぷ。
    なんか状景が浮かぶわぁ~(笑)
    私も、人生振り返れば危なっかしいことたくさんしてるよ。
    アメリカに初めていって、英語も全く話せないのに安ホテルに泊まって、目の前のクラブに行ってみたり、バイトもいろいろやったわ。
    kaoさんも私も、人生に刺激を求めるタイプなんだろうね。
    今は、この田舎を早く脱したいです( ´Д⊂ヽ
    でも、都会に住んだら住んだで、田舎に行きたくなるんだよね(笑)
    いい加減落ち着かなきゃだけど。

  12. 20年近いお付き合いなのに・・・
    らいちゃんがこんな危ない橋を渡ってきた人だとは知らんかったよ。
    もうしばらくしたら本が書けそうやね。
    尊敬・・・
    私は17年前に好きなヤツを追っかけて福岡を出て以来すごーく平凡な生活してるもんねー。
    元々性格が地味だからさー♪

  13.  凄いですね!!かなり想像しながら、読んでました。手持ち金が300円とか、本当にありえないですよぉ>< 不安すぎる!! なんか、このエピソード読んだら、仁美のクビとかまだまだ余裕だなって思えて来ました!!時給650円で、約40万も貯めたなんて、本当に毎日朝から晩まで働いてたんですね!!仁美も見習います!!

  14. もお~~~!
    あんたの話聞きよったらハラハラする(–)
    まぁ私も年取った証拠かな・・・・・

  15. *みっちゃん*
    だいたい、フラフラ~っと海外へ行く人はこんな人多いみたいね(笑)
    用意周到な人って、具体的な目的(留学とか)がないと行かないような気がするもの。
    海外では更に凄い出来事がテンコ盛りで、自分の子には絶対同じ道は歩ませたくない!って強く思ってしまうわ。
    みっちゃん、早く福岡に帰っておいで!
    あっその前に、遊びに行くからよろしくね~~~!

  16. *hopeちゃん*
    あーたは確か、私が京都から帰ってきたとき日本にはいなかったよ。
    ヨーロッパだかオーストラリアだかに行ってたかな。
    お互いにさー若かったよね~~。
    さすがの私も、お金も持たずに福岡市内でさえウロウロするのは怖くなったよ。
    あの頃って若いだけでなぜか強気やったもんねー。
    年取りました・・・。

  17. *仁美ちゃん*
    私って帰りのバス代なくても福岡の繁華街(?)に遊びに行ったりする人だったのよ~~。
    見知らぬ方にバス代を頂いたことも(返すって言ったんだけどね・・(^^;
    普通は野垂れ死にしてるよね。
    信じられない、バカな女だったもの。
    色々あって挫折や苦悩を味わって、今やっとフツーの人間になれたような気がするよ。
    立ち直ってよかったね。
    次のバイト、頑張って探してね。

  18. *hide*
    やっぱあんたでもハラハラすることあるんやね~。
    12年も付き合ってれば、いい加減私のことわかってると思ったんやけど。
    う~~ん、あの頃はほんと若かったわ。
    今度生まれ変わるときは、あんなバカなことしないって思うけど、たぶん同じ道を行くやろうね。

  19. さすが~kaoさん!転んでもタダでは起きない40万!!
    すっばらしいわーーー
    それにとても笑えた>裸の大将
    今の「住み込みの仕事」ってどんなんだろうね。
    40過ぎからの「住込み業」やってみっかな。

  20. 住み込みって以外に儲かるんですね。
    お友達も引きずり込んだなんて流石(笑)
    結果的には夏休みに友達と海の家で
    バイトして帰省した女の子みたい。
    やー、本になったらいいですね。
    もちkaoさん撮影の写真つきで。

  21. まぁ私も過去に沖縄の西表島での住み込みの仕事に
    履歴書送ったりしてたけど(–)
    まだまだ12年やんか~~!
    先は長いですぜっ!
    今日から12月!なんかイイ事が起きそうやない?!(^^)

  22. *Rosaさん*
    そうですよ~~私って転んでもタダでは起きないんです!
    スーパーで既に安くなってる商品を更に安く値切ろうとするオバチャンと似たとこがあります。
    裸の大将的な部分も持ってますし、とりあえず怪しげな部分ばっかりですね。
    今、住み込みで働くとすれば・・・やっぱ旅館の仲居さんかしら・・・。
    若いときだったらミニスカートだったろうけど、今の年じゃあ着物ですね。
    うん・・いいかも♪

  23. *cheeseさん*
    >結果的には夏休みに友達と海の家でバイトして帰省した女の子みたい。
    まさにそんな感じ~~。
    こんな感じでいつも結果オーライみたいになるんで、学習しないんだよね。
    でも本なんてとんでもないわ~~。
    ではネタ作りのために親子でどこかに住み込むか・・・。

  24. *hide*
    >まぁ私も過去に沖縄の西表島での住み込みの仕事に履歴書送ったりしてたけど(–)
    そんなこともあったよねぇ。
    なんだか遠い昔のように感じるよ。
    でもさっ、私たちってお互いがフツーでは満足できないような生活やったから、付き合いも続いてるのかなーって思うよ。
    これからもヨロシク。

  25. 16年前かぁ~、それならかすりもしないわな。
    大原なんて15年くらい住んでて3、4回くらいしか
    行ってないわ。京都も市内だから大好きなんだよね。
    いつかまた絶対帰ってやろうって思ってるけど、
    実家に夜の10時過ぎに車で到着して、夜空の
    満天の星に「うわぁ~~☆☆☆」って純粋に
    感動しちゃいました。。。
    でも、帰りたい・・・涙
    「若さ故」は私の場合27過ぎて無茶やってるような
    気がするけど。

  26. 若さゆえ と言っても普通北海道へ行って ここは駄目って判断したら
    福岡に素直に帰ってしまうと思いますが そこでまた住み込みで働いたって
    Kaoさんすごいですよねー。
    本当に。
    そういった賢い部分私も欲しい。
    Beちゃんかっこいいママでうらやましいです。

  27. *kabasai*さん*
    あんなとこ地元の人はいかないよね~~。
    いいとこなんだけど、殆どが観光の人ばっか。
    でもいくらいいとこでも、住んだらすんなことは感じないんだろうね。
    田舎って星が近いんだよね~~。
    kabasai*さん、27歳からですか・・・
    それでは今でも進行形なんですね・・・素晴しい。

  28. *モチ子さん*
    北海道じゃないですよ~、京都ですよ~(笑)
    >福岡に素直に帰ってしまうと思いますが・・・
    だって帰るお金がなかったんですもの(T_T)
    それに福岡に帰るとまた退屈な日々じゃないですか。
    今考えると、あの時の私って「誰かが助けてくれるんじゃないか」なんて根拠のない甘えがあったんじゃないかと思います。
    3日ぐらい何も食べてなかったらきっと道行く人をとっつかまえて、何か恵んでもらったかも。
    いつも誰かに助けれてるんですよね。
    有難い・・・