シングルマザーになって、一番大変だったのが就職の問題だった。
出産してから約1年間は外に働きに出ることはなかったが、友人のツテでPCを使っての入力作業やテープ起こしをやったり、オークションでの収入でなんとか生き延びていた。
子供が1歳になる直前ぐらいに選挙事務所でのアルバイトを始めたのだが、これがまた特殊な職場で、週に6日、朝は7時半から保育園に預けて仕事に出掛け、お迎えはいつも保育園の延長終了時間の夜8時ギリギリだった。
ほぼ母乳だけだったので、最初の方はおっぱいが張って痛くて痛くて…。
選挙事務所の仕事がなくなってからは、派遣会社に登録。
出産以前は、長年、派遣で働いていて仕事が途切れることはなかったが、出産後は、ひとりで乳飲み子を育てているということが大きなネックになり、短時間のテレアポなどの仕事しかなかった。
一ヶ月10万円前後の収入で、家賃だけでも5万5千円、食費や保険、その他モロモロの出費がかさみ…足りない分は、オークションで稼いでいた。
安定した仕事を…と就職情報誌で探してみるが、子持ちで30歳以上となると条件が悪すぎる。
それでも必死に探して、ここだ!というところが見付かった。
早速電話してみると、中年風の男性が出て、いろいろと質問された。
条件は全てクリアしていたので、相手の反応も良く、調子よく答えていたのだが…途中で…
「結婚されてますか?」
「いいえ。結婚はしていませんが、子供がいます。」
急に相手の声のトーンが変わった。
「子供さんって…おいくつですか?」
「1歳です。』
『あなたの親御さんとは一緒に住まれていないんですか?」
「住んでいません。」
「それじゃあ、無理でしょう?子供さんが熱でも出したらどうするんですか。」
「近所に兄夫婦がおりまして、義姉が専業主婦なので預かってもらいます。」
「いやいや。無理ですよ。そんなに小さな子がいちゃ…考えてわかるでしょう?」
…結局、ダメだった。
面接さえも受けさせてもらえないなんて先が思いやられたが、そんなことで諦めてたら、すぐに家賃の支払日がやってきてしまう。
それからも、多少年齢が条件に合わなくても面接にさえこぎ着けられたら後はハッタリかまして(←汚い言葉ですいません)何とかなる…とばかりに何件か電話してみたが、どこもダメ。
雇用する側にすれば、ある程度経験がある子持ちなどよりも、未経験の独り身の方がいいのはわかる。
でも今の世の中、未婚の母はまだ少ないものの、離婚してひとりで子供を育てている人なんて山ほどいるのに…社会が冷たすぎるから、そのしわ寄せが子供に及んで色んな問題が起きるんじゃないか?
それまで仕事に困ったことがなかった私としては、次々と自信を喪失させられることばかりで、かなり追い詰められていた。
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