日本人らしくない日本人

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私は海外へ行くと、滅多に日本人には見られない。

小学生の頃、同級生の親戚のおじさんに『両親とも日本人なら、お母さんが浮気をしたんやろうね』とかなりショッキングなことを言われたこともあるし(当時は意味がわからなかったが、今考えると最低の大人)、幼稚園のときに亡くなったバアチャンからは『戦時中に生まれんで、良かったねぇ』とよく言われていた。

しかし、その私が海外で日本人に見られないのには、ルックス以外にもなにか理由があるようだ。

初めて行った海外、アメリカでは『カメラを持っていない日本人なんて、初めて見たよ』なんて言われた。
今でこそどこへ行っても写真を撮りまくっている私だが(昨日も同僚に『林家ペーみたいですよ』と言われた)、これまで行った海外旅行の8割ぐらいは写真がない。
私の中では、一人旅でカメラ持ってたって、自分を撮れないじゃん…といった単純な理由であったのだが。

その他には、格好が汚いこともあるかもしれない。
ブランド物のバッグなんて持ち歩かないし、同じジーパンを2週間ぐらい履き続けたりなんてザラである。

その上、日本人観光客が必ず立ち寄る観光スポットにもあまり行かない。
ロス・アンジェルスも、パリも、フロリダも、東京も行ったことあるのに、未だにディズニーランドには行ったことがない(最近は娘が行きたがっているので、そろそろ行こうかなと思っているが…)。
ラスベガスには3ヶ月近くも滞在したのに、グランド・キャニオンにも行かなかったし、ノルウェーではフィヨルドも見なかった。

その一番の理由は、どこへ行ってもお金がかかるから…である。
そう、私はかなりのケチなのだ。

そんな私がイタリアのフィレンツェに行ったとき、久々に物欲が湧いてきた。
フィレンツェと言えば、革製品が有名だ。
革のコートが欲しいなぁ…と、ずらっと屋台のような出店の並んだ地域で品定めをしていたのだが、なかなか考えていたようなデザインのものはなく、諦めかけた頃に店の人が声を掛けてきた。
なんでも、近くの本店(?)だと、もっと品揃えも価格も豊富なのだと言う。
私はラッキーとばかりに期待を胸に付いて行った(←今考えると、とても危険な行為なので、決してマネはしないように…)。
店へ行くと彼の言う通り、あるある…種類も数も豊富でワクワクした。
でも付いてる値札にはワクワクすることはなく、コート1着分のお金で何日ぐらいご飯が食べれるだろうか…なんてこと考えて、結局、諦めることにした。

そして彼に、買えないことを伝えると、「じゃあ、いくらなら買う?」と言って、相手もホイホイ付いて来たカモをそう簡単に逃がしはしない。
そこで私はダメ元で、値札の半分以下の値段を言ってみた。
すると「あんた本当に日本人?日本人ならもっと良い値で買ってくれるし、値切らないよ。そんな値段じゃ絶対に売れない!帰れ!」と怒り出した。
いやーあんたが「いくらなら?」って聞くんで、私も正直に答えたんだろー??と思いながら、店を後にしたのだが、やっぱり私が日本人に見られない一番大きな理由は、貧乏なことだったようだ。

その後、街中をプラプラ歩いていたら日本人観光客グループの中からカメラを首からさげ、ツアーバッジを胸に付けたオジサンが私のところへ走ってきた。
そして私に向かって、『ぐ…ぐっち!』とひと言だけ吐き捨てるように言ったオジサンの形相にかなりの緊張の色が窺えた。
グッチのショップを探していたらしい。
それで私が「あーグッチですね?この道をまっすぐ行って、突き当たりの手前、右側ですよ(ちょうどショップの前を通ってきたばかりだった)。」と言うと、すごく、ぶったまげた顔で何も言わずに走り去って行った。
現地人と思っていたのに、いきなり日本語を話したので驚いたのだろう。
それにしても親切に日本語で教えてあげたのに礼も言わずに行ってしまう日本人なんて、ケチな日本人以下だね。

いつもありがとうございます。
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MotherLeaf*

コメント

  1. 金銭感覚がしっかりしているkaoさんに拍手!
    とても賢明だと思いました。
    記事にでてきたカタコトで話しかけた
    オジサン、あまりのお粗末さに
    ちょっと吹き出しちゃったけど、
    日本以外の映画にでてくる
    カッコ悪い日本人の典型というカンジで。
    。。でもまだまだいるんですね。
    そのうち絶滅するかな?してほしいな^^;

  2. そのオジサン、結構笑えますよね。
    私もおかしくて、おかしくて・・・。
    年配の方の間ではきっと、海外旅行を『特別なこと』と捉えられているのだろうし、
    仕事ばかりで余暇を楽しむ余裕のなかった世代の方々には
    スマートに旅行を楽しむことよりも、海外でブランド物を買うことが
    精一杯の目的だったのかもしれません。
    今の若い世代の人たちは、もう少しスマートになってきてるかなとは思いますが
    身の丈に合わないブランド物を好んで買いに来る人たちは、いなくならないでしょうね。
    まぁ価値観の問題なので、私のような貧乏旅行を疑問視する人も多いと思いますが・・。
    今でも、あのオジサンの『ハトが豆鉄砲をくらったような顔』が忘れられないです^^

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