払わなくて済むお金は払わない…しかしそれが必要ない人も

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Nちゃんがタイから来たばかりのころ、通学電車の定期券を学割で購入するための証明書がもらえず、学校に抗議をしたことがあった。

正式な学生ではない…そんな理由だった気がするが、私は先生や事務局の方などに掛け合って「留学生も学生なのだから証明を出すべき」「彼女は学割で定期券を買う権利がある」などと訴えた。

しかし後に、その行為がまったく必要のなかったことだとわかり、全てがばかばかしくなった。

留学生は学校から制服の貸与を受けることができたのに、Nちゃんは記念に持ち帰りたいからと、夏・冬の制服やカバンなど、一式を買い揃えた。

そうか。
うちとは経済事情がまったく違うんだ。
こんなことで頑張る必要はないんだ…と複雑な気分だった。

ある日、Nちゃんが自分のノートパソコンを持ってきて、私に開いて見せた。
ディスプレイがバキバキに割れている。
我が家の愛猫ミルちゃんが棚から落としたと言う。
しかし、ミルちゃんは3キロほどしかない13歳にもなるおじいちゃん猫なので、そんなことできない筈…、部屋に入って理由がわかった。

彼女は整理整頓があまり得意ではなく、棚に雑然と積み重ねられた雑誌などの上にNちゃんのノートパソコンが中途半端なバランスで置いてあり、ミルちゃんがその上に乗ってどこかへ飛び移ったときに、パソコンが滑り落ちたらしかった。

それはうちの猫も悪いが、Nちゃんがそんなところに置いていたのも悪いんだからと、修理代を半分ずつ出そうと提案した。
彼女は最初、修理代はいらないと言ったが、私にも意地があった。
しかしちょうど娘の留学やバレエの発表会も重なり出費が続いていたため、かなりの痛手ではあった。

ネットで何件かの修理屋さんに見積もりを出してもらったところ、日本で販売されていない型番のパソコンだったため、3~4万円ほどかかった。
Nちゃんにとっては痛くも痒くもないだろうが、私にはかなり痛痒い。

もう自分で修理をするしかない…そう思って、枠を外してディスプレイパネルの型番を確認し、海外のサイトで購入。
そして、Youtubeで交換方法を学習し、海外から届いたディスプレイパネルをNちゃんのPCにはめ込んでスイッチオン…すると…ちゃんと映った。
費用は送料を含めて8千円ほど。
ひとり4千円の出費で済んだのでNちゃんはビックリしていた。

私は娘が生まれてからずっと、こんな風に出費を抑えるために工夫をしてきた。
貧乏くさいかもしれないが、常に何かもっと良い方法があるんじゃないか…どこかの素人がやっていることなら私にもできるんじゃないかと、手間がかかってもそれで出費が減るのならその手間は惜しまないし、払わないで済むお金は払わない。

バレエや留学など、どちらも母子家庭が子どもにやらせるのははなかなか難しいことだけど、逆に考えると親が私ひとりだから好き勝手にやれるという部分もある。
食費や被服費、遊興費などは工夫次第で何とでもなるので、半ばゲーム的な感覚で切り詰めてきた。

娘には買いたいものを我慢させてきたし、お年玉はバレエ用品の購入に使ったりして、本人は嫌だったかもしれないが、その節約精神がしっかりと彼女の身にもついているのは確かだった。

しかし、それが裏目に出ることもある。
今だからこうやってブログに書くこともできるが、あの時は本当に、本当にお金の心配なんてしてほしくなかった。

いつもありがとうございます。
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