ホームレス

毎日の通勤で通りがかる福岡市内某所に、ホームレスの方々が集まる場所がある。
その辺は昔からそうなので驚くことはないのだけど、最近、時代は変わったなぁと思うことがあった。
そのホームレスの方々の中に、外国人の姿を目にしたからである。

１ヶ月ぐらい前から、彼はひとりその場所に立っていた。
かたわらのカートにいくつもの旅行用トランクが積み上げられ、Ｂｅの身長の高さぐらいはある。
急激な円高で帰れなくなったのか。
それにしても、あの荷物は明らかに旅行とは思えない。
量からすると、半年ぐらいは過ごせそうなくらいである。
とすると、奥さんだか、彼女だか、ルームメイトだかに愛想をつかされて部屋を追い出されたんだろうか。

通勤途中で彼を見かけるたびに、想像をかきたてられる。
誰かを待っているのか？
それとも円安になるのを待っているのか？
ホームレス生活をするために日本にやってきたわけではないだろうに。

そう言えば、以前ブログにも書いたことはあるが、私も海外で泊まるところがなかったり、お金がなかったりで、仕方なく外で朝まで過ごしたことがある。
駐車場の階段の踊り場だったり、空港のロビーだったり、駅の待合室だったり。
極端に荷物が少なかったので、もしかすると本当のホームレスに見えていたんじゃないかと今になって考えると恥ずかしくなってしまう。

そう言えば、海外だけではなかった。
日本でも、駅の待合室やホーム、公園のベンチで寝てしまったこと数回。
なんて人生なんだろうね。まったく。
しかしこんなこと笑い話で済むうちは、いいもんだ。
先日、ホームレスの人を見てＢｅが不思議な顔をした。

「あの人たちはね、仕事や家がなくなったから、仕方なくあそこにいるんだよ。日本のえらい人たちがちゃんとしてくれんから大変だよね。ママとＢｅちゃんも、いつか同じように住むところがなくなってしまうかもしれんよ。頑張らんといかんね。」

そんな説明をしたのだけど、ちょっと怖がらせすぎだったかな。
こちらも以前書いたけど、スウェーデンで知り合ったシングルマザーの女性が自慢げに言っていたのを思い出す。

「スウェーデンは税金が高いけど、みんな屋根の下で寝られるの（屋外で寝る人がいない＝ホームレスがいない）。福祉がしっかりしているから、私のようなシングルマザーも多いのよ。」

日本って、何なんだろう。

「ウサギとカメ」のウサギなのかな。

最先端を行ってるけど、大事なことを忘れたがために、あとで取り返しにつかないことになる。
あぁ、そんなことを考えていたら、私もいろいろと忘れていたことに気づいた。
とりあえず自分は一所懸命に頑張るしかないかな。