スイスでの出来事 その1

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日本人が一度は行ってみたい国の中で常に上位にランクインされるスイス。
平和で、自然がキレイで、住みやすい…そんなイメージがあるのかな。
だけれども、私にとってはもう2度と行きたくない国である。

8年前、ひとりでヨーロッパを放浪していたときだった。
オランダ・アムステルダム発の列車でスイスのチューリッヒに向っていた私は、私なりに行きたいところをノートに書き出し…子供のころテレビで観た“アルプスの少女ハイジ”のふるさとで黒パンは絶対食べなくちゃだろ?なんて呑気なことを考えながら列車の旅を楽しんでいた。
ヨーロッパの国々を行き来するのは殆どが列車である。
訪れたことのある方ならわかると思うが、国によってはパスポートを見せることなくすんなりと入国できるが、そうでない国もある。
いや、そうでない国でも、みんながみんなパスポートをチェックされるのではないようで、たとえ相手が日本人であっても怪しいヤツと判断される場合に限ってアレコレとチェックされる国、それがスイスだった。

私の乗った列車がスイスへ入り、小さな駅で停車したときだった。
一度、ドアが開いたかと思うと、入国審査官だか何だか知らないが、制服を着た怖い表情のオッサンが列車に乗り込むと同時に全てのドアが閉まった。
あぁ、入国のチェックなんだな…。
私は海外で犯罪を起こすことの少ない日本人だし、もちろん後ろめたいこと何もはなかったので、静かに本を読みながら時間が過ぎるのを待っていた。
その時である。
コツコツと私の乗る車両で鳴り響いていた審査官の足音が、私の真横で止まった。

『△×☆○▽☆…』

私に何か言っている模様。
なんだよ~~なに言ってるんだか、わからないよ~。

『フランス語はわかりません。』と英語で答えると、私と私の荷物をジロジロ見ながら立ち去って行った。
…ったく~、いやらしい目つきで見やがって~~…なんて思っているところへ、またドアの開く音が。
一瞬 チェックが終わったんだなと安心したところでまたドアの閉まる音…複数の靴音…そして、間もなく私の横でその音が止まる。
顔を上げると3人の兵士が立っていた。
ひとりは女性、ふたりは男性で、肩からはライフルを引っさげている。
なっ、なっ、なんだよ~~~!?私?私が何かした???

パスポートを見せろと言われ、慌てて手渡すと端から端まで念入りに調べている。
いつ日本を出たのか、入国の目的は何か…そんなことをいくつか質問され、冷や汗をかきながらも必死に答える私。
周囲の乗客たちは好奇の眼差しでこちらの様子を伺っている模様。

『荷物を調べます。』と女性兵士が言うと、3人がかりで、私のバッグの中身を片っ端からチェックし始めた。
洋服の間から、下着の入った袋、本の間、とにかくバッグの中のものを全て出して必死に何かを探している。
一体、私が何をしたって言うんだ!とムカつきながらも、初めて間近で見るライフルにただただおののいている私…。
こっ…怖すぎる…。


いつもありがとうございます。
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MotherLeaf*

コメント

  1. スイスはだめか!!
    しょせんわれらは黄色人種、白人種が一番嫌う色、黄色だもんね。
    まあ、いいか、続きを期待!!
    汽車の中でストリップ???

  2. 同じような経験が…
    サンノゼ(SFの南、所謂シリコンバレーの中心地)の日本スーパーに買い物兼ビデオ(NHKの大河ドラマとか)借りに行ったとき。後を付回すパトカー。結局2回も尋問受けました。向こうの警官は常に銃を撃つ体勢で職務質問するし、その間両手をハンドルに置く様に厳しく指示されるので緊張しますね。
    後から薄々判ったことでは産業スパイ事件がらみの事件があの周囲で当時起こっていたとか。普通に暮らす日常の中で一瞬、我々の知らない世界がうごめいているのを感じた経験でした。

  3. ::kspawsさん::
    ヨーロッパへ行く日本人観光客はマナーもそこそこだし、お金も落としてくれるしで、彼らにとっては都合のいいお客様のはずですよ。
    私がこんなことになってしまったのには、いくつかの要因が考えられます・・・それはまた明日書きますけど。
    当時は結構派手だったし、海外で日本人に見られることはまずない私です・・・日本人と言っても信用してもらえなかったことも何度もありましたので。
    今思うと、自分でもほんとに怪しいヤツだったと思います。

  4. ::hiroshiさん::
    さすがにそれは怖いですね。
    何事もなかったから良かったものの、あちらの警察は容赦ないですからね・・・。
    まかり間違って反抗したり逃げたりしようものなら、発砲されかねませんよね。
    日本が一番平和な気もしますが、悪を排除するには、それくらいないといけないかもしれませんね。
    でもご無事でよかったです。

  5. マザーリーフの葉っぱ、母が植木鉢に植え替えてました。
    しっかり根付いているようです。
    ありがとうございました。
    中立国としてのスイスのイメージは、とても平和な国。
    そこに、ライフルを構えた兵士ですか。
    さぞ、恐ろしい体験をされたのでしょうね。
    kaoさんの書かれる文面からはすごく芯の強い女性をイメージしますが、↑怪しい雰囲気だったとは。。
    続き待ってます^^

  6. あの国はイタリアからベルギーに向かうときにバスで通過しただけで、滞在はしなかったんだけど、あそこだけEUじゃないので、やけにきっちり審査が、ってかアーミーが乗り込んできてパスポートチェックするんよね。
    ほんとライフル抱えてる人。
    でも私はパスポート見られただけでスルーでした当然。
    男性が一人、パスポートをもってなかったせいかなんかで、その場でおろされてたっけ。
    あの人は、その後引き返すのだろうか…と思ったけど、kaoさんそういう人と間違えられたのかな?
    エキゾチックな移民風なのに、日本のパスポート所持して、こいつはあやしいってな具合で。
    というか、なにが起きたの?早く教えてよー

  7. ::sakuraさん::
    >中立国としてのスイスのイメージは、とても平和な国。
    そう、私も行くまではそんなイメージだったし、殆どの人がそう思ってるんでしょうね。
    でも、逆に、そんな人が日常的にウロウロ(?)しているからこそ平和を守っていけるのかもしれません。
    >kaoさんの書かれる文面からはすごく芯の強い女性をイメージしますが、↑怪しい雰囲気だったとは。。
    芯の強いというか、必要ない強さはありますけど、やっぱり怪しい雰囲気は漂っていると思います・・・もしかして今もかしら???
    マザーリーフ、すくすく育ってくれるといいですね。
    寒くなったらお家の中に入れてあげるようにお伝えくださいね!

  8. ::banさん::
    >あそこだけEUじゃないので、やけにきっちり審査が、ってかアーミーが乗り込んできてパスポートチェックするんよね。
    あ~~そういうワケか~。
    さすがbanさんね。
    私は深く考えることなく、単にムカついてたよ。
    そう言えば、入国する前に列車内で男性が車掌さんみたいな人に捕まえられて連れていかれてたけど、あれも何かあったんかな~。無銭乗車?
    パスポート持たずに入国する人もいるんだね。
    すごい勇気だわ。