甥っ子 R

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私の兄には3人の息子がいる。
三男はまだ十代なので、甘えん坊。
一番しっかり者で、計画性があるのが次男。
そして25歳になる長男、Rは世間で言うところの『ニート』みたいな生活をしていた。

中学を出て、もう勉強はしたくないと高校へは行かなかった。
ジャニーズ事務所に入りたいとか、ブロボウラー(ボーリングのね)になりたいとか、夢みたいなことばかり言っては、何の努力もしない。
働き始めたと思ったらすぐに辞める。
何の仕事も続かず、家にいるときは自分の部屋にこもり、家族や親戚の集まりには全く顔を出さないR。

数年前、車の免許を取りに教習所へ通ったものの、こちらも続かず、免許を取らないままやめてしまう始末。
たまに顔を合わせて、話しかけても、会話なんて続きゃーしない。
あぁ、もうどうしようもないヤツだ。
このまま家にこもってしまうんじゃないか…犯罪に手を染めたり、他人様に迷惑をかけることなどなければいいが…なんて思っていた。

去年だったか、やっとRは定職についたが、私を含む周囲の人たちは、どうせ長くは続かないだろう…なんて思っていた。

しかし、Rにとって祖母にあたるうちの母だけは、彼のことを心から信じていた。

印象の良い次男より、末っ子の三男より、「Rは絶対やればできる子だ」と私に言っていた母。

そんな母に、Rから先週の金曜日に突然電話がかかってきたらしい。

「ボクの彼女がばあちゃんに会いたいって言いようけん、明日、来てもいい?」

おそらく、Rが母に電話をしたのは、初めてだと思う。

想像もつかなかった出来事に、母は電話を切ったあと私やRの父親である兄に電話をした。
あいにく私は温泉へ出掛けていて留守だったし、兄は友人と飲んでいる最中で、詳しい話は聞けなかったらしい。

そして翌日、私は母からそのことを聞き、
「なに?!結婚するんやない?突然会いにくるってことは、もしかして子どもができたのかも!!!??」

今まで、Rが自分からすすんで母に会いに来たことは、2度ほどあったらしい。
しかし、それは子供のころ。
車で20分以上もかかる自宅から、はるばる自転車でやってきた。
母は時おり、そのときのことを嬉しそうに私に話すことがあった。

「夕方に来るらしい。何時ごろかね。ちょっと兄ちゃんに電話をしてみようかね」

母は私の兄に電話をし、Rがこれからつれてくる彼女に会ったことがないどころか、彼女がいることさえ知らなかったと知らされた。

「私がおったら、喋りにくいかもしれんけん帰るね」

どんな彼女をつれてくるんだろうと興味津々ではあったが、予定外の私がいたら困惑するだろうと、遠慮して実家を後にした。

私が自宅へ帰ってから1時間ぐらいして、玄関のチャイムが鳴った。
ドアを開けると、嬉しそうな母と、その後ろにRと彼女。
ちょっと派手めで、今どきの女の子といった感じ。

「なに!?どうしたと!??」

「これからみんなで食事に行くことになったけん、あんたも行こう!」

みんなで町内の中華料理屋へ行くことになった。
<長くなったので、続きは明日です…>

いつもありがとうございます。
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MotherLeaf*

コメント

  1. 続きが楽しみです^^

  2. 男はある日突然に目覚めることがある。

  3. ::ナナコさん::
    ありがとうございます。
    大したお話ではないんですけどね・・・

  4. ::kspawsさん::
    そうですね。
    目からウロコでした。