「養子を迎える」という選択肢

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今の時代、不妊で苦しむ方が非常に多い。
辛い不妊治療の末に子どもに恵まれる人はいるが、残念ながらそうならない人も少なくない。
不本意な結果が続き、心身ともに疲れ果ててそのまま子どもを諦めてしまう…それが日本では一般的で、アメリカなどのように、養子をもらうことは非常にまれなケースであると思う。
諸外国と比べると、「血縁」というものをとても大切にする国だからなのかな。
先日、たまたま行きついたカリフォルニア在住の方のブログで見つけた素敵な詩。
管理人であるchiblitsさんのお隣さんが、中国の赤ちゃんを養子として迎えたときに綴ったブログから引用されたもので、そのご夫婦には既に3人のお子さんがいらして、うち1人は同じく孤児であった黒人の男の子なのだそう。
世界中にはたくさんの不妊に悩むご夫婦がいて、同じく世界中にはたくさんの孤児がいる。
日本にももっと「養子を迎える」という選択肢が浸透したら…と思い、chiblitsさん了承のもと、その詩を転載させていただくことにしました。
以下、「カリフォルニアのばあさんブログ」より。

私達夫婦はこの一ヶ月程、毎日の様に読んでいたブログがあります。
それは私達の右隣の奥さんが去年の11月から今年の3月20日まで書いていたブログです。
4週間前にご夫婦で中国に行き、孤児院にいた女の赤ちゃん(9ヶ月)を養子にして先週、その赤ちゃんと一緒に帰ってきたのです。赤ちゃんを迎えにいく、2,3ヶ月まえから、名前、写真、誕生日、体重など基本的な情報をもらえるだけで、どの赤ちゃんを養子にするかの選択はありません。
タイミングよく今週は娘が帰ってきたので、私達は可愛い女の子用のドレスを買いにデパートに行き、今朝早く焼いた葡萄パンとドレスを持って、3人でお隣にお祝いに行ってきました。
アナちゃんは写真で想像していた以上に愛らしく、私の顔をみて何度も笑いました。もしかしたら私が孤児院でお世話をしていた中国人にみえて、親しみを感じたのでしょうか。
3月20日、最後のブログの日に書いたアナちゃんのお母さんの詩です。

アナへ
One there were two women
Who never knew each other;
One you do not remember,
The other you call Mother.
二人のお母さんがいました。
お互いに面識はありませんでした。
一人は貴方が覚えてない人、
もう一人は貴方が「お母さん」と呼ぶ人。
Two different lives,
Shaped to make your one,
One became your guiding star
The other became your sun.
この二人が
貴方という一人の人間を造ったのですよ。
一人は貴方を導いてくれるお星様で、
もう一人は貴方の太陽となって。
The first one gave you life
And the second taught you to live it,
The first gave you a need for love,
The second was there to give it.
一人のお母さんが貴方に命を与えて、
もう一人のお母さんがそれを大事に生きるように教えるの。
最初のお母さんは貴方に愛を必要にさせて、
もう一人は貴方が必要とした愛を与えて。
One gave you a nationality,
The other gave you a name.
One gave you a talent,
The other gave you an aim.
一人は貴方に国籍を与え、
もう一人は貴方に名前を与えました。
一人のお母さんは貴方に能力を授けて、
もう一人のお母さんはその能力を伸ばしてあげるの。
One gave you emotions,
The other calmed you fears.
One saw your first sweet smile,
The other dried your tears.
貴方に感情を授けたお母さんと、
その感情で湧き出た不安を取り払ってくれたお母さん。
一人は貴方の最初の笑い顔を見たお母さんで、
もう一人は貴方の涙を乾かしてあげたお母さん。
One sought for you a home
That she could not provide,
The other prayed for a child,
And her hopes were not denied.
一人は貴方を育てる場所を探したけど、見つからず、
もう一人は子供を欲しいと神様にお祈りして、
その願いがかなったお母さん。
And now you ask me
Through your tears,
The age- old question,
Unanswered through the years.
Heredity or environment,
いつかきっと貴方は涙を流して聞くでしょう。
決して答えのない質問を。
「生みの親か、育ての親か。」って。
Which are you a product of ?
Neither my darling, neither.
Just two different kinds of love.
私の愛しいアナよ、
それはね、どちらでもないのよ。
愛には二通りの愛があるのだから。

世界中のひとりでも多くの孤児が
アナちゃんのように幸せになれますように。

いつもありがとうございます。
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コメント

  1. 日本の場合は、跡取りの養子ってのが一般的だからね。
    親戚の子を貰うんだよね。
    あと、身寄りがなくなった親戚の子を面倒見る場合、この場合、養子縁組せずに面倒見るね。
    やはり、宗教観かな。
    食っていくために口減らしをしてきた民族と労働力商品として扱ってきた民族の違いかも。

  2. 詩のご紹介有難うございました。確かに日本ではKSPAWSさんが仰るように親戚の子をもらうことが多いですね。まだまだ外国からの孤児は少ないでしょうね。アメリカ人は中国、ロシア、チェコからの養子が多いです。アメリカにも大勢孤児がいるのですが、どうしても新生児の方が好まれるのだそうです。外国からの養子の方が書類が楽だからそうですが、必ずしも幸せになっていない子供達もいるそうです。なかなか難しいところですね。でもアナちゃんの場合はとてもよいご両親でよかったです。

  3. ::kspawsさん::
    >食っていくために口減らしをしてきた民族と労働力商品として扱ってきた民族の違いかも。
    う~ん、なるほど・・・と納得してしまいました。
    時代が変わっても、そんな意識だけはしっかりと受け継いでいるんですね。
    ・・・と言うことは、これからも変わらないんでしょうかね・・・。
    悲しいことです。

  4. ::chiblitsさん::
    このたびは転載を快くご了承くださりありがとうございました。
    知人に、訳あって全く血が繋がらない子を女手ひとつで立派に育て上げた方がいます。
    お子さんは私より年齢が上なのですが、今でも本当の親子以上にお互いを思いやる微笑ましいおふたりですが、これは非常にレアなケースなのでしょうね。
    外国からの養子の件、そう言えば有名人も全て外国からですね。
    なんとなく理不尽な気もしますが、受け入れる側にも色んな想いがあることと思います。
    養子になって幸せになっていない子は、どう想っているんでしょう。
    孤児には親を選ぶ権利さえないので、運命を呪うしかないのでしょうか。
    アナちゃんのご両親が良い方でよかったです。

  5. とてもいい詩ですね。

  6. ::iwayanさん::
    お久です~。
    ほんと、いい詩ですよね。
    初めて読んだとき、自然に涙がでました・・・