ミルのひとりごと

オイラの名前はミル…
去年の８月１２日頃、兵庫県姫路市の某公園でダンボールに入れられた状態で拾われたんだ（まだ目が開いてなかったし、赤ん坊だったんで覚えてないや）。
拾ってくれた人の話では、もう一匹、兄弟らしき赤ん坊が一緒だったみたいなんだけど、そのときは既に死んでいたらしい。
オイラは親切な人に拾われたおかげで、すぐに病院に連れて行ってもらってこんなに元気になったんだぜ。
世知辛い世の中だけど、いい人間もいるもんだな。
病院の先生の話では、生まれてまだ１日ぐらいしか経ってなかったらしいから、オイラの誕生日は８月１１日ぐらいかな。
まだヘソの緒がついた状態で、母親と離ればなれにするなんて、どんなやつがオイラのことを捨てやがったのか顔が見てみたいよ。
それから２ヵ月ぐらいして、縁あってはるばる九州は博多へともらわれてきたんだ。
新幹線に乗ったこと、死んだ兄弟に自慢したかったな。
もらわれた先にはクルクルの髪の子供がいるんだけど、あいつ、しょっちゅうオイラのことをさわりたがるんだ。
頭にくるから噛み付いたり、引っかいたりしてやったんだけど、そしたらあいつ、すぐに『ママー』って母親に助けを求めに行くんだぜ。
オイラだって、まだ母親が恋しい年頃なんだ。
あいつ、甘えてるよな。
その頃はまだ哺乳瓶でミルクを飲んでいて、人間共がみんなオイラのこと可愛いって言いやがるんだけど、バカにしてんのか？って思ったよ。
ミルクなんて赤ん坊臭くて飲めるかって素振りを見せたら、飼い主がカリカリをくれるようになったんだ。
そして、たまに缶詰に入った、ねっとりしたやつもくれるんだけど、アレ嫌いなんだよね。
オイラは歯ごたえがあるやつが好きなんだ。
だから、絶対に食べなかったんだけど、そしたら飼い主のやつがブツブツ言いやがって。
頭にきたから、カリカリだけでも大きくなれるんだってところを証明したくて、毎日毎日、大量に食ってやったよ。
そしたらね、すぐにデカくなった。
でもよく見ると飼い主もデカいんだよね。
あいつ、こっそりオイラのカリカリ、食ったのかな。
昨日、初めて体重をはかってもらったら４キロもあったよ。
半年ぽっちで、こんなにデカくなるもんなんだな。
ちょっと食いすぎたかな。
まぁ、こんなオイラだけど、飼い主がネタに困ったとき、たまに登場すると思うから、これからもヨロシク。