巨大フェリーで過ごした夜 1

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以前、北欧を旅したときにスウェーデンとノルウェー間を大型フェリーで移動したことがある。
フェリーとは言ってもかなり大きな客船で、中にはレストランが数軒とディスコ、免税店、そして私の大好きなカジノがあり、まるで小さな街のようだった。

ノルウェーからスウェーデンに移動する際、船着場でたまたま知り合ったスウェーデン人女性と意気投合し、一緒にフェリーの一番安い二人部屋(タイタニックのジャックが泊まったような船底に近いところ)の部屋をとった。
彼女はふたりの子供のシングルマザーで、子供をボーイフレンドに預けて、ノルウェーにいる知人に会いに来たのだと言った。
近い将来、自分がシングルマザーになるなんて想像すらしていなかった私は、『ひとりで子供を育てるなんて、大変な人生だなぁ』と少し同情したのだが、彼女曰く、スウェーデンでは税金が高い分、福祉が充実しているためシングルでも子供を育てやすく、子供をもつ半数近くの女性がシングルマザーなのだと言った(資料等がなく裏づけはできないので、世間話として読んで頂きたい)。
ホームレスもおらず、どんなにお金がない人でも『屋根のあるところ』で生活しているのだそうだ。

そう言えば、以前ドイツに住んでいた同僚も、ドイツでは小学校から大学まで学費の全てが無料なのだと言っていた。
そのかわり、働き出してからは給与の半分近くを所得税などで持っていかれるらしいが、どちらも日本では考えられない話である。
ヨーロッパの国々は『弱者』にやさしいところのようだ。

その夜、私たちはディスコへ行ってみた。
とても華やかで、たくさんの人たちが踊ったり、酒を飲んだり、若い私たちにとってはとてもワクワクする場所であった。
しかしあまりお金がなかった私たちは、飲み物を注文することはなかったので少し物足りなさを感じていたのだが、そんなとき、彼女がいいアイディアを思いついた。
私たちはテーブルに置いてあった空きグラスを2個こっそり持ち出して、部屋へ戻ってグラスを洗い、免税店で買った安いビールを注いで、それを持ってディスコに戻った。
グラスが空になると、甲板に隠しておいた缶ビールをグラスに注いでまた戻る…といったことを何度も繰り返した。
お金が無い者は無いなりに楽しむ方法があるのだなぁと感動…、私たちはフェリーの夜を楽しんだ。

いつもありがとうございます。
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MotherLeaf*

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