キケンなアメリカ初上陸 その1

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1988年12月下旬。
初めてのアメリカ、いや、初めての海外である。
ロス・アンジェルスの空港に降り立った私は、行くところがなかった。
あれは確か、京都から帰ってきてすぐだった。
LA行きの格安航空券をゲットした。
行き先はアメリカであればどこでも良かった。
一番安かったのがLA行きだった。
母には「面白くなかったら、すぐに帰ってくるから。」とだけ言って、大した予定も告げずに日本を出た。

そしてアメリカに到着した途端にやっと気がついた。
ホテルの予約もしていない。
ガイドブックはもちろん、英語の辞書さえも持ってきていなかった。
とりあえず到着ロビーのベンチに腰掛けて、30分ほど目の前を行き来する人たちを眺めながら考える。
ホテル…とりあえずホテルにチェックインするしかないな。
インフォメーションカウンターへ。
「安いホテルを探してるんですが…」
たぶんちゃんと調べていればダウンタウンで格安のモーテルを見つけることが出来たんだろうけど、空港のインフォメーションではそんなとこ紹介してはくれない。
ダウンタウンがどこにあるかもわからなかった私は、とりあえず空港近辺の1泊50ドルほどのモーテルに予約を入れ、送迎車を待った。

今考えると、どうしてあんな時期に行ってしまったんだろうと、毎回のことながら自分のバカさ加減には本当に呆れてしまう。
ホテルにチェックインした私は母に電話をかけて、大至急、辞書を送ってもらうように頼んだのだけど、何せ1年間で最も郵便屋さんが忙しいと思われるクリスマス直前だったのでなかなか届かない。
毎日フロントで小包が届いていないことを確認すると、もう1泊お願いね☆と宿泊代を払う。そんな毎日だった。

それとホテル周辺のレストランが殆ど閉まっていて、食事には困った。
なんでレストランが閉まっているのかと尋ねて、やっとクリスマスだと気づいた私はとっても退屈な毎日を過ごした。
ダウンタウンに遊びに行こうにも、どうやって行けばいいんだか、バスの乗り方さえもわからないし、観光にもそれほど興味はなかった(じゃあ、なんで行ったんだよ!?)。
ホテルの従業員は殆どがメキシコ人で、そのうちのひとりに開いてるレストランを教えてくれと頼むと、ちょうど昼前で仕事が終わるので一緒に行こうかと誘われ、彼の車で近所のダイナーへ。
ひとりだと絶対に怖くて入れない雰囲気の、白人も黄色人種もいない、ちょっと異様な雰囲気の店で食事をした。

彼は二十代後半ぐらい、それまでも何度かホテル内で顔を合わせて言葉を交わしたことがあって、私の中では割と好印象だった。
それなのに、それなのに。
何でそんなところへ連れて行かれたのかは覚えていないのだけど、店を出てからホテルへ送ってもらう途中、モーテルに連れ込まれた。
何て言われたのか、たぶん言葉巧みに誘われて、何が何だかわからないまま行っちゃったんだろうけど、部屋に入るまでそこがモーテルだということさえ気がつかなかった私って、何てバカタレなんだろう。
殺されていてもおかしくないくらいに、今考えるととんでもなく危険だった。
近寄ってくるアイツに向って、「少しでも私に触ったら殺す!」とか何とか叫んだと思う。

いつもありがとうございます。
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MotherLeaf*

コメント

  1. すご~く 先が気になっちゃいましたσ(^_^;
    続きがアップされるのを 待ってま~す(o^-‘)b

  2. こわ~~~、考えられんね。
    でも、そうやって何人かの日本人女性が
    闇に消えて行ってる。

  3. いつもながらkaoさんの旅の話って面白い!!!
    続きがとっても気になるぅぅ~。

  4. 生きてて良かったですね。
    続きを読むのは怖いけれど、
    こうなると、怖いもの見たさもありますね。
    フー。

  5. ::ゆきさん::
    アップしましたが、大して面白い話じゃなくてごめんなさいね~~~(←先に謝ってみた)。

  6. ::kspawsさん::
    そう、私がこうして今も元気に生きているのは、本当に運が良かったんでしょうね。
    とてもじゃないけど、同じことは2度とできないし、自分の子だったら、縄で縛ってでもひとりでアメリカへは出さないだろうなぁ。

  7. ::Yokoさん::
    ちょっともったいぶって書いてみたけど、続編は大したことないのよ。
    ごめんね~。

  8. ::momoさん::
    怖くはないんですよ~。
    だってブログに書けるくらいですから。
    大したことじゃないです~~~。