静かに始まったサイコパスとの闘い

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留学生の帰国から遡ること5カ月。
私の勤める会社に、新入社員が入ってきた。
新入社員とは言っても私と同年代で、しかも私の上司である総務部長になる人だ。

私は以前勤めていた編集プロダクションを退職したあと、機械メーカーに経理職として入社し4年目だった。

最盛期には80人ほどいた社員も、リーマンショック以降は経営不振に陥り、私が入社したときには30人足らずになっていた。

入社初日に当時の総務部長から「この会社は問題だらけなので改善しようと頑張っているんですが、協力してもらえますか?」と言われたときは驚いた。

その問題の根源はオーナー社長だった。

社長は自分に意見する人を極端に嫌い、白いものでも社長が黒と言えば、迷うことなく黒と言うイエスマンを好んだ。

総務部は、総務部長と労務担当のMさん、そして経理担当の私の3人。
総務部長も数年前に中途入社をした方で、社長からは気に入られていた。

しかし社長の身勝手なお金の使い方などに関して意見したことをきっかけに嫌がらせを受けるようになった。

イエススマンはいるものの実は社員たちから嫌われている社長は、自分とは真逆の、みんなから慕われている総務部長が気に入らず、総務部の私たちに「部長とは話をするな」と命令した。

社長からの嫌がらせの一環で、総務部長は製造部の係長に配置転換させられたため、総務部は私たち女子社員2名になり、新しい部長を招き入れることになったのだ。

しかしせっかく入社したその新部長も、社長から攻撃を受けることになり、入社して2カ月足らずで鬱と診断され退職。

社長は完全なるサイコパスで、何度も社員から訴えられているのに全く懲りていなかった。

私が入社した当時も元社員に月割りの損害賠償金を支払っていたし、社長の実の息子でさえ鬱になり、2年半ほど休職したことがある。

私が初めて社長から酷く叱責されたのは入社して間もないころだった。

お得意先が紙袋に入った500万円ほどの現金を持ってやってきた。
社長から領収証を書くよう言われ、通し番号がプリントされた正式な領収証に記入したところ、ものすごい剣幕で怒られた。

「わざわざ現金で持ってきとるのに、表に出せんお金ということがわからんのか!
市販の領収証じゃないと、通し番号の領収証は税務署から調べられるのは経理なら常識でわかるだろうが!
そんなこともわからんようじゃあ、経理失格だ!」

あり得ない常識だし、経理の仕事というのはそんな不正をすることではないし間違いなく犯罪なのだけど、社長はこんな風に独自の常識を押し付けては相手を非難する。
私は納得がいかなかったが、謝るしかなく、そして架空の会社名で入金処理をさせられた。
こんな風に社長の言う通りにすることで、犯罪の片棒をかつぐことも少なくなかった。

(この会社に関しては、本を何冊も書けそうなくらいエピソードが盛りだくさんなのだけど、今現在も係争中の人がいるため自粛)

総務部長が完全にいなくなったあと、社長からの攻撃が私に向けられるようになった。
社長室に呼ばれるたび、何かあったときのために証拠を残しておかなければと音声を録音した。

私は入社したとき、娘が成人するまでは絶対に会社を辞めないと決めていた。
自分を強い人間だと思っていたし、何を言われてもガマンできるし大丈夫だと思っていた。
でも今になって考えると、職場でも家でも心休まるときがなく、少しずつ限界が近づいていたんだと思う。

いつもありがとうございます。
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