身の程知らずな中年シングルマザーの就活と曲げられない拘り

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失業保険の受給のため、毎月決められた認定日にハローワークに行かなければならなかった。
認定の手続きのあとは、パソコンを使って求人検索をする。
通常は、こういった求人検索や実際に面接に行くなどの就職活動を月に最低2回やる必要があるが、就職困難者に認定されている人は月に1回だけでよいとされている。

パソコンに自分の年齢と地域を入力し、希望職種は事務系。
年収300万円以上(ボーナス省く)、さらに土日休み…と絞っていくと、該当する求人は全くないわけではないが、殆どが一般事務ではなく経理事務だった。

しかし前職で本当に嫌な思いをしたので、経理だけは怖くて選べなかった。

友人・知人の手伝いであれば無給でも引き受けるが、私の中で設けている給与の最低ラインを年収300万円(月給25万円)、アルバイトやパートの場合は時給1000円と決めているので、それ以下の仕事はやってこなかった。
収入に見合う経験がなければ、ほぼハッタリのような感じで仕事を引き受け、その分勉強をして収入に見合う自分になれるよう努力をしてきた。
給与は一度妥協してしまうと、自分の価値までどんどん下がっていきそうな気がしたし、長年仕事をやっていく上で、経験は増えている筈なのに、収入が下がるのはおかしいと思っていた。

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以前、ハローワークのすすめで、ある会社に応募した。
給与は残念ながら私の最低ライン以下だったが、応募者が10人以上いると聞き、どうせ合格はしないだろうと気軽に受けたところ、なぜか受かった。
採用の電話があった時、翌日には別の面接を控えていたので、返事を数日待ってもらえるようお願いした。
そして翌日、別の会社の面接を受けて、結果は1週間以内に連絡すると言われ、最後に何か質問はないかと問われたときにこう言った。

「実は別の会社の採用が決まっていて、返事を待っていただいている状態です。
採用でも不採用でも、数日以内に返事を頂けませんでしょうか。
もちろん御社が第一志望です。これが最後の就職活動だと思っています。よろしくお願いします!」

そう言って、第一志望のこの会社に骨をうずめるつもりだということをアピールした。

なぜその会社が第一志望なのかと言うと、給料が私の希望に合っていた…それだけだった。
月額の総支給額だけでも、採用の連絡が来た会社とは6万円以上の差があった。

そして見事、その第一志望の会社に採用が決まり、数日前に採用された会社には断りの連絡をした。

その第一志望の会社というのが、パワハラを受けて辞めた会社だった。
給与のみで決めた会社。
細かく言うと、社屋は立派できれいだったし、制服があったし、良いところはいろいろあったが、一番の決め手が給与だった。

でも、その4年後にパワハラで辞めることになるなんて、想像もしていなかった。

 

求人検索で、仕事を探してみる。
給与は安いが自宅から近くて残業もない仕事や、自宅からは遠いが、あまり頭を使わない仕事などをとりあえずキープしてみるが、長続きするか自信がない。
もうできないかも…と思っている経理職で、給与がかなり良いのに、なぜか何カ月もずっと求人が出たままになっているところがあった。
以前の私ならすぐに飛びついたかもしれないが、きっと何か裏があるんだと思った。
採用されても、すぐに辞めていく何らかの理由が。

経理の次に目についたのがネットショップやweb系の会社での仕事だった。
プログラミングはできないが、CSSやHTML程度なら勉強したし、過去にIT企業で働いた経験もある。
しかし「社員の平均年齢26歳!」なんて書いてあると、その時点で私のようなおばちゃんはNGだよ~と言われているのがわかる。
仕方なく希望年収を下げてみるが、妥協したものの採用されたらどうしよう…なんて考えると応募する気になれなかった。

そんなある日、いつものように仕事を検索していたら、良さげなところが見つかった。
医療系のソフト開発の会社で、海外からの問い合わせのメール対応の仕事。
これなら出来るかも!と、すぐにハローワークから連絡を入れてもらい、2日後に面接してもらうことになった。

いつもありがとうございます。
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