予想外にギャンブルの話で盛り上がって誘われ、飲みに行くことになったわけだけど、ユースの人とはいえやはり相手は男性。
少しだけ不安があったことも確かだった。
飲みに行くきっかけを探して、わざわざ話を合わせたんじゃないかと疑っていた部分もあった。
ところが夜になり、ふたりで彼がよく行くという近所のパブへ出掛けると、そんな不安なんて一気に解消。
お互いにビールを頼み、話すことと言えば昼間の続き。
私はギャンブラーとは言ってもブラックジャックしかやらないのだけど、偶然に彼もブラックジャックがメイン。
数年に1度、ラスベガスまで出掛けるんだという。
で、それで、ふたりのギャンブラーの話す詳細な内容は…最低賭け金いくらのテーブルで、いくらずつ賭けて、ディーラーの見せ札が何だったときに、自分のカードが何で、もう1枚を引くかどうかという、そんな細かいマニアックなことから(今考えるとふたりともギャンブルバカだね)、どこそこのホテルでディーラーにこんな仕打ちを受けたとか(あぁ本当にバカ)、とにかく最初から最後までギャンブルの話ばっかり。
お互いの周囲にその類の話が通じる人がいないため、かな~り盛り上がり、仕舞いには「3年後にラスベガスのMGMホテルで落ち合おう!」ということに(※殆どのカジノがホテルにあるのでv)。
グラスが空になるたびに、違う種類のビールをオーダーし、また飲み干す。
何杯飲んだかは覚えていないが、上機嫌な彼に全てご馳走して頂いて、ふたりでユースへ戻った。
翌朝、彼からモーニングコールが入る。
「朝食の準備をしたから降りてきて!」
ロビーへ行くとニコニコ顔の彼が待っており、一度外へ連れ出され、同敷地内(たぶん同じ建物)にある従業員専用の食堂のようなところへ通された。
テーブルにはトーストや卵料理、コーヒーなどが1人分並べられ、その席に座れと言う。
「僕は食べたから、どうぞ。」と言って、すすめてくれた。
遠慮なく食べる私をニコニコ顔で眺める彼…。
食事が終り、部屋に戻り身支度を整え、チェックアウトを済ませると、名残惜しそうにバス停まで歩いて送ってくれた。
いい人だったけど、本当に変わった人だった。
そして、いよいよストーンヘンジへ。
天気は残念ながら曇り。
時おり、小さな雨がパラついていた。
ガラガラのバスに乗り込み…ほどなく目的地へ到着。
な~~~~~んにもないところ。
いや、お土産屋さんがあったかな。
その側で、ストーンヘンジについての説明が聞けるテープレコーダーを借りて、いざ出陣。
やっぱり…
な~~~んにもないところだった。
いや、ストーンヘンジはあったのだけど、天気が悪かったことと、テープを聴きながら観てまわったのが想像していた神秘的な世界を壊してしまったのかな。
長い間、行きたくて行きたくて、死ぬまでには必ず行こうと決めていたところだったのに、意外にもそれほどの感動はなかった。
その場所が悪いとかそんなことではなくて、なんとなく、私が本当に行きたかったところに来たという感動がなかった。
これまで何度もひとり旅をしてきた私。
誰に遠慮することもなく、自分が行きたいときに行きたいところに行ける、見たいものを見れる、それだけでひとり旅を選んできたのだけど、意外にもひとり旅は私にとって致命的な大きな欠点があった。
「感動を伝える相手がいない」ということ。
「きれいだね!」「すごいね!」「感動だね!」という感情を声に出すことで、実は自分自身の感情を更に高揚させることができるんだと思う。
それを伝える相手がいないことで、その感情を自分の中に閉じ込めてしまう。
誰かに伝えるということは、自分のためでもあるんだということを実感した。
思い返してみると、昨夜、パブでビールを飲みながら語ったギャンブル話の方がよっぽど楽しかった。
人ってやっぱりひとりでは生きて行けないんだなぁとつくづく思う。
私のひとり旅もそろそろ終盤に近づいてきていた。
その夜、ロンドンへ戻り、シンガポール行きの飛行機に飛び乗った。
あっ!もしかしてまた何か事件が起きるって思ってた?
残念でした~!たまにはフツーの旅行者だったりするんです。期待していた方、ごめんなさい!
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コメント
ストーンヘンジ、私も一度は行ってみたい所の1つです!kaoさんみたいに度胸がないので1人では行けませんが…海外の1人旅、一度はしてみたいです!日本語以外喋れないけど(∋_∈)ユースホステルの人と3年後、再会出来たのか気になります(゜∪゜)
写真と本物は違うからねぇ,まあ、日本の石舞台と同じかな。
ブラックジャックを極めれば面白そうだけど、結局親をドボンさせるゲームだから、一番左端に座る人が運を握るからネ。
一人旅はそれなりのよさもあるけど、食事とか、一人が故の不便さもあるね。
今から行く人へのアドバイスは????
伝える相手がいない・・・
って部分にとっても納得です。
私は一人旅の経験はほとんど無いけれど、あちこちで出会う感激をいつしか独り言で声に出し自分で聞いて勝手にテンションあげるようになってしまいました(笑)
おかげで独り言大王です・・・(困)
ストーンヘンジ、kaoさんの思いとは少し違ってたみたいやけど・・・それでも神秘的な場所やったんでしょうね~
まったくその通り。
そう感じたから、いまは一人じゃ旅に出ないことにしてるよ。
いつか、感動を分かち合える人と旅したいのが夢なんだけど。
現状、誰もいないね..
息子がたくましく育ってくれれば、一緒に行きたい。
でもその頃の自分の年齢を計算するのが怖い…
kaoさん、たぶんおんなじ頃旅してたと思うんだけど、なんでその頃であってなかったのかなぁ、残念だよー
何事もなかったんだ。
ちょっとドキドキしたわ。
ストーンヘンジ、素敵ね。
私も行ってみたいな。
シンガポールだけなら、そこから6時間強よ。
歓迎kao様ご一行!
::カズママさん::
>ユースホステルの人と3年後、再会出来たのか気になります(゜∪゜)
ユースの人からは何度か手紙が来たんですけどね、残念ながら約束は果たせませんでした。
1年後にはBeを身ごもってましたから(笑)
ストーンヘンジ、機会があれば是非行ってみて下さい!
あんな大きな石、誰がどうやって運んできたんだろうと考えると夜も眠れませんから!^^
言葉ができなくても大丈夫!
身振り手振りで何とかなるもんですよ~。
::kspawsさん::
そうそう、私はその左端に必ず座るんですよ。
わざわざその席が空いてるテーブルを探すくらいですから。
他人に自分の運命を任せるのがいやなんですよね。
でもそのせいで、ソウルのウォーカーヒルで東洋人のおっちゃんに文句を言われたことあります。
ディーラーが止めるのが普通なんですけど、知らんぷりで、東洋のカジノってダメですね~。
頭にきてテーブル変えた途端に大負けしましたけど(;_;)
これから行く人へのアドバイス?
知らない人にはついて行かないように!
::鯨のシッポさん::
独り言大王!
私もですよ~。
ひとり旅が長いと必ずそうなりますが、今は普通の生活でも独り言が多いです(年を取ったからという噂もチラホラ;)
今だったら、その辺にいる人誰でもいいからつかまえて、喋りまくるかもヾ(@^▽^@)ノわはは
ストーンヘンジそのものは神秘的なんですが、見学するルートが決まっていたり、ロープが張ってあったり、その他の見学者もいて、現実に引き戻されました。
でもまた行けるといいなぁと思ってます!
::banさん::
経験者は語るーだね。
1週間とか10日ほどの旅行だったら感じないんだろうけど、数ヶ月に及ぶとひとりで食事するのさえわびしいよね。
旅行者の友達とかできても、相手も旅行してるわけで、すぐに別れがきちゃうしね、やっぱり誰かとワイワイ言いながら旅をするのが一番いい!
私もね、いつかBeと長期の海外旅行に行ってみたいな~なんて思うけど、その時はそんなエネルギーはないかもだわ。
「海外やめて、温泉に行こうよ~」なんて言ってそう(^^;
::ラン子さん::
そう、何ごともなかったのよ~。
シンガポールまで6時間強か~~。
もう8年も前のことなんて、ぜーんぜん覚えてないんだよね。
シンガポールに降り立った途端、モワッと暖かい空気を感じたのは覚えてるけど。
いいとこだよねぇ。
何せ貧乏旅行だったもんで、まともに美味しいものって食べてないのよ。
次に行くときは食べ歩き希望ですので、付き合ってね☆
kaoちゃん違う!!!(笑)
アメリカだったら撃たれるよ。
一番端は自己犠牲にして親をつぶす役だよ。
絶対に自分の上がりを考えんとよ。
極端に言えば自分が5で親が13でも、引くカードがピクチャーでおやが13+10でドボンなら、あえて5のままで終わると。
もちろん賭けやけど。
今度、行こうか?beが大きくなったら。
::kspawsさん::
いえいえ、それくらいで撃たれてたら、私は今頃この世にいませんよ。
ラスベガスで2ヶ月間ほど毎日やったことがありますが、アメリカ人は黙って席を立ってました。
この場合、フツーにもう1枚もらって合計が11以下だったら doubledown です。
自己犠牲なんて絶対しませんから。
ただね、他のプレイヤーのやり方にもよります。
うまい人だったらそれなりに考えますけど、基礎(?)がなっていないメチャクチャなプレーをする人(観光客の大半がそうですが)は、流れを乱すので早く席を立ってもらうために、容赦はしません。
やっぱ撃たれますかね?
出遅れましたなぁ…こんばんは。
ストーンヘンジ・ツアー読みました。その道中のいろいろなことを含め行動力には脱帽です。
掲載のストーンヘンジの写真、うまいですね~。
これなら見に行きたくなります、で、実際見てみると…となるのかなぁ(笑)
::ゆったり人さん::
いや~~(>人<) ごめんなさいっ!
この写真は私が撮ったんじゃないんです~~。
お土産屋さんで買ったポストカードをスキャンしたんですよ!
ど~~りで、上手いわけです(笑)
でもでも、実際もですね、ロープの囲いがなくて+周囲には誰もいない・・・といった感じだったらいい雰囲気だと思いますよ。
ゆったり人さんなら、きっとポストカードに負けないぐらいの写真が撮れるはずです!
ヨーロッパへ行く機会があれば、ぜひぜひ行ってみて下さい!!
またまたあたしの好きな旅行ネタで楽しかったです!!ほとんどの人が好きなんだと思うけど、なかなか一人旅なんて出来るもんじゃないってか、勇気がなくて…かな!?うらやましい限りです。もっと若いうちに(怖いもの知らずの時に)行っとくべきだったなぁ。
::萌子さん::
今回は大した事件(?)がなかったのだけど、楽しんでもらえたようで嬉しいです~。
ひとり旅は楽しいこともいっぱいありますけどね、でも食事のときが寂しいですよ。
でもでも、若いうちでは感じられないことだっていっぱいあると思うので、これからだって遅くないはずです!
体力がついていけば・・・ですが。
私はもう体力ありませ~~ん!