実家の不動産登記のために、役場と法務局を何度も行き来した。
どこで何の手続きをしていいのやら、本を読んでも、ネットで調べても、私の実家のような例はあるはずもなかった。
未登記建物を不動産登記する場合、その建物が母のものという証明が必要だった。
固定資産税を支払った領収証がその証明となるが、前にも書いた通り、実家は課税されていないので固定資産税を支払っておらず、そんな証明はない。
まぁでも、支払っていなくても課税されていないという証明は取れるようだったが、住所が違うというのが大きな問題だった。
土地の住所と我が家の住所が違っては、証明も意味をなさない。
法務局のおじさんに、とりあえず有りのままを伝えた。
未登記建物の登記を自分でやりたいこと。
しかし、その登記に必要な証明が取れないので、他に何か方法がないかと尋ねた。
すると、馬鹿にしたような表情でため息。
そんなこと、普通の登記でも素人がするのは大変なのにできるわけないじゃないかと言う。
第一、図面はどうするのかと言われ、私が描きますと言うと、鼻で笑われた。
大まかな図面は、リフォーム会社が作ってくれた建物の図面と、我が家の土地を真上から撮ってあるGoogle Earthの画像、そして法務局で取った土地の図面の写しをPhotoshopで重ね合わせながら作成し8割ほどは完成していた。
図面はできたとしても、じゃあ、住所が違うのはどうするのかと言う(それを私が質問しているのに)
「第一、何十年も前に壊された家に、今もまだ住んでいるようになっているというのはあり得ない。役場はそういった土地や家屋を定期的に見回っているから、家屋が壊されたらすぐにわかったはず」
「それじゃあ、うちがこうなった原因は役場の怠慢じゃないですか!?」
「それは絶対にありえない。それに、そんな専門家でも登記できるかわからんような家を素人が登記できるわけがない」
絶対にあり得ないと言われても、実際にそうなってしまってるわけだし、実家から直線距離で300メートルも離れたところの住所をいまだに使わされているのだって役場の怠慢だかミスだかが原因であり、母には一切責任はない。
それなのに、まるで実家に課税されないよう何らかの小細工でもしたかのような言い方をされ本当に腹が立った。
法務局が相談に乗ってくれなかったら何も前に進まないのに、そのおじさんが法務局にいる限り、実家を登記するのは不可能に感じた。
そして、専門家を連れてこないとこれ以上の対応はしないと言わんばかりに話を切り上げられた。
相談どころか、散々パンチを浴びせられた挙句にノックアウト。
あのおじさんの言うことが本当なら、もし土地家屋調査士などの専門家に依頼したとしても、確実に登記できるとは限らない。
役場でも法務局でも解決策を見いだせず、専門家に頼んでも確実でないのならもうダメじゃないか。
私の計画は完全にストップしてしまった。
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