草彅くん主演映画『ミッドナイトスワン』の感想(ネタバレ注意)

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先週『ミッドナイトスワン』を観に行ってきた。
(イオンカードがあると、水曜日はイオンシネマが1,100円で鑑賞できるのでおすすめ)

草彅くん演じる凪沙(なぎさ)が、遠い親戚である中学生の女の子、一果(いちか)と生活を共にするところから物語が動き出す。
凪沙は男性であるが心は女性、いわゆるトランスジェンダー。
一果は母子家庭で育ち、実の母親からネグレクトを受けていて、心がほぼ死んでいる状態。
ただの遠い親戚という以外、何の共通点もない二人のようだが、私には似たもの同士に見えた。
社会に絶望し、自らの境遇を恨む気力さえないが、愛情に飢え、欲するものはある。
二人の感情が時間をかけて少しずつほどけていくと同時に、様々なことが起きる。

草彅くんが若かったら、たぶんこの役はしっくりこなかったと思う。
トランスジェンダーとしての葛藤や苦しみ、母性のような感情表現は、肌ザラザラで頬のこけた40代半ばの中年男だからこそできたのだと思う。
人生の酸いも甘いも嚙み分けてきた草彅くんの芝居は、穏やかなのに鬼気迫るものがあった。

一果役は、オーディションでバレエの実力を重視して決めただけあってとても上手だった。
個人的には、アパートの廊下で制服姿で踊るシーンが良かった。

全体的な感想は、良い映画だった…でも、ズーンと心に重くのしかかってきた感じ。
トランスジェンダーやネグレクトといった、今の時代だからこその深刻な社会問題がテーマだからかな。

そういえば、以前話題になった『パラサイト 半地下の家族』を観たときもそうだった。
これも富裕層と貧困層の格差といった、社会問題がテーマ。
娘は「めちゃくちゃ面白かった!もう1回観たい~」なんて言っていたけど、私も面白いと思ったものの、ドキドキ・ハラハラしすぎて疲れ切ってしまい、もう観たくないと思った。

映画の中に入り込んでしまうから?
自分の中で、まるで映画の主人公とか、他の出演者のようになってしまうからかな。
実は一番映画を楽しめているのかもしれない。

いつもありがとうございます。
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